伏流水

伏流水とは

伏流水（ふくりゅうすい）は、河川敷や旧河道の砂礫層、または化石谷内の砂礫層の中を流れる地下水のことを指します。特に、地表に存在する河川との水理的関係が密接であることが特徴です。このような水は土壌水とも称されます。

伏流水の特徴

この伏流水は比較的浅い場所に位置しており、透水性の高い砂礫層を流れています。注意が必要なのは、扇状地などで河川から離れた場所に分布する地下水は、伏流水には含まれないという点です。日本は山の多い国土を持っているため、扇状地や火山の麓には伏流水の生成に適した環境が多く見受けられます。これらの地域では、水質が一般的に良好であることも多いです。

さらに、扇状地の扇端部分では自噴する湧水池があるほか、伏流水が発達した河川の沿岸では、浅い井戸からでも大量の地下水を採取できるため、上水道の重要な水源ともなっています。特にこの地域の伏流水は、日常生活において飲用水や農業用水として広く利用されています。

溶岩や石灰岩について

また、地下水は溶岩や石灰岩内に存在する空洞や隙間を通って流れることがあります。この場合、この地下水は裂罅水（れっかすい）または岩罅水（がんかすい）と呼ばれ、従来の伏流水とは異なるとされています。このような分類は、地下水の流動経路や特性を理解する上で重要です。

伏流水の汚染問題

伏流水は一般に、地表水や表流水と比較して土壌からの影響を受けにくい特性があり、細菌などの存在が極めて少ない傾向があります。しかし、近年においては、日本国内でも、水源がある区域での経済活動が行われる影響で、伏流水に対する汚染の問題が浮上しています。

具体的な例として、名水百選に選出されている静岡県の柿田川の湧水地では、1990年に不法投棄された産業廃棄物に起因してトリクロロエチレンが検出され、一時期はこの水の飲用が禁止された事例があります。このような問題は、伏流水の管理と保全の重要性を再認識させるものでもあります。

まとめ

伏流水は、日本の自然環境において重要な役割を果たしていますが、その管理には注意が必要です。浄水の供給源として利用するためには、伏流水の保全や汚染防止対策が求められています。このように流れる地下水の特性や利用方法、さらにはそのリスクマネジメントについての理解を深めることは、地域社会にとって益となるでしょう。

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