江防艦隊

江防艦隊の概要

江防艦隊（こうぼうかんたい）は、満州国軍における艦隊の一つで、満州国の河川の警備を担当していました。満州事変により新たに発足したこの艦隊は、以前の東北艦隊の将兵や河川警備用の艦艇を受け継ぎ、主に河川の安全を確保する任務を担っていました。慰霊儀式や観兵式を通じてその存在感を示しつつ、訓練や警備任務に従事していました。

沿革

江防艦隊は1932年の2月15日に発足しました。それ以前、中国東北部で展開されていた奉天軍閥の東北艦隊の一部が、満州事変の影響で南京国民政府に逃亡したため、満州国軍として新たに編成されたのです。発足からわずか2か月後の4月15日には陸海軍条例の公布により公式に海軍として認識され、これにより公開された艦隊はより正式な位置づけを得ました。

夏には艦艇による警備を行い、河川が凍結する冬季には陸上での訓練に切り替え、また陸戦隊としての活動にも従事していました。日本海軍から派遣された軍事顧問が指導を行い、艦隊の実効性を高める役割を果たしました。これが、後の江上軍に発展していく礎となります。

江防艦隊は数年間海上兵力を欠いていましたが、1944年末になると商船を改造した武装船舶で日本軍との連携を強化し、「海上警備隊」として領海警備に携わるようになりました。

主な出来事

• - 1932年2月: 江防艦隊の発足
• - 1932年3月: 満州国の成立に伴い、満州国軍の海軍として正式に位置づけられる
• - 1933年7月: 国境地帯への進出
• - 1935年7月: 新たな砲艦「定辺」と「親仁」の配備
• - 1939年5月: 東安鎮事件が起き、ソ連軍との衝突が発生
• - 1939年11月: 陸軍の「江上軍」に改編
• - 1944年6月: 「海上警備隊」の編成

主力艦

江防艦隊には以下の主力艦があり、これらの艦艇は満州国の河川警備に重要な役割を果たしました。

順天級砲艦

• - 艦艇名: 順天、養民
• - 排水量: 270トン
• - 全長: 55m
• - 固定武装: 12cm連射高角砲1基、15cm曲射砲1門、13mm連装機銃3基

定邊級砲艦

• - 艦艇名: 定辺、親仁
• - 排水量: 290トン
• - 全長: 54.6メートル
• - 速力: 12.5ノット
• - 固定武装: 12cm連射高角砲1基、12cm高射砲1基、13mm連装機銃3基

結論

江防艦隊は、満州国において河川警備を実施し、海上の治安を守るために重要な役割を果たしました。戦局が厳しくなる中で、江防艦隊はその機能を向上させ、最終的には海上警備隊として生き残る道を模索しました。

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