池口史子

池口史子 - 現代洋画の巨星

池口史子（いけぐち ちかこ、1943年2月24日生まれ）は、日本の洋画家で、立軌会の同人および日本芸術院の会員として、近代美術界でその名を知られる存在です。彼女は父親の勤め先である南満洲鉄道の影響を受け、大日本帝国の租借地で生まれました。幼少期は東京都で過ごし、東京芸術大学にて油画を学びました。

生い立ちと学びの道

池口は、関東州の大連市で生を受け、東京都で育ちました。彼女は東京芸術大学に進学し、油画科で山口薫の指導を受けながら学習。1966年に学部を卒業後、さらに大学院へ進み、2年後の1968年に美術研究科を修了しました。

画家としての活動

大学卒業後、池口は個展やグループ展を通じて自身の作品を発表し始め、次第に画壇での地位を築いていきました。1975年には官僚で作家の堺屋太一と結婚。その後、1992年からは立軌会の同人として活動し、2004年には『ワイン色のセーター』で損保ジャパン東郷青児美術館大賞を受賞しました。2012年には『深まる秋』を通じて日本芸術院賞恩賜賞を手にし、その年の12月には日本芸術院の会員に選ばれました。

美術館の設立と顕彰

彼女の住居とアトリエ、及び夫の事務所を兼ねた愛住館が、新宿区愛住町に所在し、後に私立美術館の「美術愛住館」として整備されました。2019年、池口はこの館を東京藝術大学に寄贈し、『堺屋太一記念 東京藝術大学 美術愛住館』として新たに生まれ変わりました。

家族・親族

池口史子の父、堤禎章は東京帝国大学の工学部を出て南満洲鉄道に勤務していました。また、彼女の夫、堺屋太一は東京大学経済学部卒業後、通産省に勤務し、小説家としても知られています。小渕内閣では経済企画庁長官を務め、多くの歴代内閣での役割を果たしました。

略歴と受賞歴

1943年 - 関東州大連市にて誕生。
1966年 - 東京芸術大学美術学部を卒業。
1968年 - 東京芸術大学大学院美術研究科修了。
1992年 - 立軌会同人に加わる。
2012年 - 日本芸術院の会員に選出。
2012年 - 『共鳴／主張する個性～現代洋画家10人～』展に出展。

受賞歴

1993年 - 倫雅美術奨励賞。
2002年 - 両洋の眼河北倫明賞。
2004年 - 損保ジャパン東郷青児美術館大賞。
2012年 - 日本芸術院賞恩賜賞。

著作

池口は自身の展覧会に関する図録や画集を多く出版しています。主な著作には『池口史子展図録』（1998年）、『池口史子画集』（2004年）、『池口史子展――静かな叫び』（2005年）などがあります。

彼女の作品や活動は、現代洋画の発展と美術に対する情熱の象徴であり、その影響は今も多くの人々に広がっています。

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