池守・池上遺跡

池守・池上遺跡の詳細

池守・池上遺跡は、埼玉県行田市と熊谷市にまたがる歴史的な複合遺跡です。この遺跡群は、弥生時代から平安時代までの長い時代にわたる貴重な文化の痕跡を保存しています。具体的には、行田市の下池守、上池守、中里、そして熊谷市の池上地域に広がります。また、行田市の飛地として位置する小敷田も含まれています。

遺跡の概要

遺跡は、妻沼低地および星川右岸の自然堤防に存在する低湿地遺跡で、集落の遺構が見つかっています。「池守・池上」という名称は、1984年に埼玉県立さきたま資料館から発表された発掘調査報告書に由来しています。地図上では、池上遺跡（熊谷市と行田市）と池守遺跡（行田市）の2つの異なる遺跡として登録されています。

両遺跡の間には、まだ発見されていない部分や、埋蔵文化財に指定されていないエリアがあることも特徴です。

池守遺跡については、1978年に国道125号の建設に伴う発掘調査でその存在が確認され始めました。調査の結果、西側に広がる遺跡の存在が判明し、池上遺跡として命名されました。さらに、1981年から1982年にかけての発掘調査により、南側にも遺構が広がっていることが明らかになり、この区域は池上西遺跡と呼ばれています。

環濠集落の発見

池守・池上遺跡では、特に弥生時代中期に属する3条の環濠集落が発見されました。ここでは、竪穴建物11軒や、貯蔵穴と考えられる土坑などが確認されています。この遺跡は、関東地方の環濠集落の中でも特に古いものであり、貴重な歴史的証拠とされています。さらに、遺跡の上層部からは古墳時代から平安時代にかけての遺構も見つかっており、各時代の文化が一堂に会する重要な地点となっています。

参考文献と出典

この情報は、宮昌之著『池上西』や埼玉県立さきたま資料館の報告書、さらには千葉基次の『日本歴史大事典1』に基づいています。遺跡の詳細については、今後の調査や研究により、より多くの情報が明らかになることが期待されています。これらの研究成果を通じて、池守・池上遺跡が持つ文化的な価値をより深く理解することができるでしょう。

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