池田猪三次

池田猪三次（いけだ いさんじ）は、文久3年8月13日（1863年9月25日）に生まれ、昭和17年（1942年）11月26日に没した、明治から昭和時代前期にかけての政治家であり、また銀行家としても活躍した人物です。彼は衆議院議員を2期務め、その生涯を通じて地域社会の発展に大きく貢献しました。旧姓は矢部といい、遠江国豊田郡浦川村（現在の静岡県浜松市天竜区）の矢部家に生まれました。

猪三次が政治家としての道を歩み始めたのは、明治12年（1879年）に引佐郡伊平村（現在の浜松市浜名区）の池田徳治郎の娘、さわと結婚し、池田家の養子となったことがきっかけです。その後、明治19年（1886年）には伊平戸長役場に勤務し始め、同村の村会議員を経て、明治26年（1893年）には同村の村長に就任しました。村長として、養蚕業の振興、学校建設、道路整備に尽力しました。これらの活動を通じて、彼は地域社会の発展に大きく貢献しました。また、引佐郡会議員も務め、地域政治における影響力を高めました。

明治36年（1903年）には静岡県会議員となり、明治44年（1911年）には同議長に就任しました。県議会議員としての活動に加えて、郡や県の農会長、伊平銀行、金指銀行の頭取、天竜木材の監査役、浜松鉄道の取締役など、様々な要職を歴任しました。これらの役職を通して、彼は地域経済の発展にも寄与しました。

大正4年（1915年）3月には、第12回衆議院議員総選挙で静岡県郡部の村上太三郎の死去に伴う補欠選挙で当選し、衆議院議員としてのキャリアをスタートさせました。その後、第14回総選挙でも当選し、通算2期、衆議院議員を務めました。議員としては、県道の開通や本坂トンネルの開通などに尽力し、交通インフラの整備に貢献しました。

池田猪三次の功績は、地域社会の発展に多岐にわたります。政治家としては、地方自治の発展に尽力し、様々なインフラ整備や産業振興に貢献しました。また、銀行家としては、地域経済の活性化に尽力し、地元の発展に貢献しました。彼の活動は、地域社会に深く根ざしており、その影響は後世にまで及んでいます。

池田猪三次の功績を讃え、昭和8年（1933年）には勲四等瑞宝章が授与されました。この勲章は、彼の長年の功績を称えるものです。



池田猪三次の生涯は、明治から昭和初期にかけての激動の時代を反映しています。彼は政治家、銀行家として、その時代を駆け抜け、地域社会の発展に大きく貢献しました。その足跡は、現代においても地域社会を支える基盤となっています。

参考文献として、
『第三十六回帝国議会 衆議院議員名簿 大正四年五月十四日訂正』衆議院事務局
『議会制度七十年史 第11』衆議院、参議院 編
* 『静岡県歴史人物事典』静岡新聞社出版局
などを参照することができます。

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