第12回衆議院議員総選挙

第12回衆議院議員総選挙

第12回衆議院議員総選挙は、1915年3月25日に日本で実施された重要な政治イベントであり、当時の帝国議会の衆議院議員を選出するための選挙でした。この選挙は大正時代の幕開けを象徴するものであり、時代の流れを反映した「大正デモクラシー」の先駆けとも位置づけられています。

この選挙では、初めて国政に参画する若手政治家たちが注目され、特に鳩山一郎と濱口雄幸の2名は、その後内閣総理大臣として名を刻むことになります。彼らの初当選は、若手リーダー登場の兆しを示し、政治界に新たな風を呼び込みました。

選挙の背景と実施方法

当選挙の実施にあたっては、内閣のリーダーである大隈重信が特に際立った活動を行いました。彼は汽車の展望車に乗り、停車駅ごとに選挙演説を行う「停車場演説」を通じて、有権者に直接訴えかけるスタイルを取り入れました。このような選挙運動は当時としては異例であり、首相自らが選挙活動を行うことは非常に注目されました。さらに、大隈首相自身の演説を録音したレコードを全国に配布するなど、工夫を凝らした選挙パフォーマンスが随所に見られました。

選挙データ

この選挙は、以下のようなデータに基づいて行われました。記録によると、大正3年の12月25日に解散が決まり、その後12月26日には公示が行われ、投票日は3月25日と設定されています。合計で381名の議員が改選されることになり、大選挙区制を採用（部分的に1人区制も）。有効な投票者数は1,546,411人で、投票率は92.13%と高い数字を記録しました。

党派別議席獲得状況

党派別に見ると、以下のような議席数が獲得されました。

• - 立憲同志会: 144議席（総裁: 加藤高明）
• - 立憲政友会: 106議席（総裁: 原敬、幹事長: 永江純一）
• - 中正会: 36議席
• - 大隈伯後援会: 29議席
• - 立憲国民党: 27議席（総理: 犬養毅）
• - 中立（無所属）: 39議席

初当選者は147名に上り、彼らは今後の政治において重要な役割を果たしていくことになります。また、立憲同志会と立憲政友会から特に多くのメンバーが初当選しています。

結果と影響

票の集計が終わると、選挙の結果は党の勢力図に大きな影響を与えました。その結果、多くの議員が新たに政界に登場した一方、多くの議員は引退や落選を余儀なくされました。200名に及ぶ議員がその後の選挙での不出馬や落選に追い込まれ、政治シーンは一新されました。この選挙は、単なる議員選出にとどまらず、各党の生き残りをかけた競争が繰り広げられた場ともなりました。

この第12回衆議院議員総選挙は、単なる選挙以上の意味を持ち、後の政治状況にも大きな影響を与えるきっかけとなったのです。

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