池田継政

池田継政の生涯と業績

池田継政（いけだ つぐまさ）は、備前岡山藩の第三代藩主として知られています。彼は天城池田家の五代目当主であり、岡山藩池田家の宗家の五代目でもあります。継政は、第二代藩主である池田綱政の十七男であり、母は水原氏の幸品でした。

幼少期と家督相続

元禄15年8月17日（1702年）、継政は生まれました。彼は宝永元年（1704年）に天城池田家の池田由勝の家督を相続し、保教（やすのり）と名乗ります。彼の異母兄である吉政が彼の誕生前に亡くなり、嫡男となっていた同母兄・政順も宝永6年（1709年）には早世。このため、実家に戻り後継者として指名されました。70歳を超えていた綱政が、既に成人していた九男の軌隆を退け、幼少の保教を後継者に選んだことは、池田家一族の間に疑念を呼びました。

藩主としての継政

正徳4年（1714年）、父の死去によって藩主の地位を引き継ぎます。将軍から偏諱を賜り、池田家の通字「政」を受けて継政と改名しました。その翌年には従四位下、侍従・大炊頭に叙任され、正式な藩主としての働きが求められました。継政は仏教に対する信心が深く、湊山に仏心寺、瓶井山に多宝塔を建立しました。

彼は領民に善政を施し、享保年間には近隣藩で百姓一揆が頻発する中で岡山藩だけが平穏を保ちました。領民の信頼を集める名君として評価される彼の姿は、多くの人々の記憶に刻まれています。

婚姻とその後

継政は正徳3年（1713年）に伊達吉村の次女・村子と婚約し、享保7年（1722年）に彼女が輿入れしましたが、元文2年（1737年）には離婚します。この離婚は幕府や伊達家に相談なく行われたため、幕府の詮議を受け、噂も広まりました。継政は隠居の意向を示しましたが、重臣たちの反対を受け、少将への昇進を目指す運動が進められました。池田家と伊達家はこの離婚で絶交状態に陥りますが、天明4年（1784年）には和解しました。

文人としての側面

継政は政治家だけでなく、文人としても優れた才能を見せました。絵画や書、能楽においても実力を発揮し、特に能楽に関しては「諷形図」という舞台図を五巻著作しています。延享元年（1744年）には左少将に任官し、嫡子宗政の初官の昇進を気にかける一面もありました。

隠居とその後

宝暦2年（1752年）12月6日、継政は長男の宗政に家督を譲り、隠居生活に入ります。その後、隠居中に宗政が早世し、孫の治政が藩主となった際に彼を補佐したと考えられています。他にも寛保二年には江戸の洪水に対して西国大名の手伝い普請に参加しました。

終焉

最後に、池田継政は安永5年（1776年）2月8日に岡山で死去しました。享年は75歳。彼の生涯は、政治家としての成功と、人々への奉仕を積極的に果たし続けた文人としての側面を持っていたことから、今もなお多くの人々に尊敬されています。

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