池田英俊

池田英俊：剛球と緻密な投球術で広島を支えた名投手

池田英俊（いけだ ひでとし）は、1937年5月13日に福岡県福岡市で生まれ、2023年1月16日に85歳で逝去した元プロ野球選手です。投手として広島カープで活躍し、引退後はコーチや解説者として野球界に貢献しました。

福岡高校から明治大学へ

池田は福岡高校時代、当初は遊撃手でしたが、1年生の秋に投手に転向します。2年生の夏には甲子園県予選で準決勝に進出するも、小倉高校に惜敗。甲子園への出場は叶いませんでした。

高校卒業後、西鉄ライオンズからの誘いを断り、明治大学に進学。1年生の秋季リーグから投手陣の中心となり、東京六大学野球リーグで活躍しました。2年生の秋季リーグでは7勝を挙げ、チームの2位躍進に貢献。リーグ通算では60試合に登板し、15勝15敗、防御率2.10、170奪三振を記録しました。

社会人野球を経て広島カープへ

大学卒業後、池田は福岡に戻り八幡製鐵に入社。1960年の産業対抗では日本鋼管の補強選手として出場し、決勝で優勝。最高殊勲選手に選ばれました。1961年の都市対抗でも日炭高松の補強選手として出場しています。

1962年、池田は広島カープに入団。1年目から57試合に登板し、16勝を挙げ、防御率2.44を記録。新人王こそ逃したものの、チームのピンチを救う活躍を見せました。特に、読売ジャイアンツ（巨人）のON砲を相手に臆することなく、頭脳的な投球で三振を奪う姿はファンを魅了しました。

2年目の1963年には、9完封を含む21勝を挙げ、防御率2.57を記録し、エースとしての地位を確立。緻密な制球力と投球術、縦に割れるカーブを武器に、1960年代のカープ投手陣を支えました。

晩年

1967年に右手首を怪我してからは成績が低迷し、1969年に引退。引退後は、広島、大洋、中日で投手コーチを歴任し、多くの投手を育成しました。また、中国放送（RCC）の解説者としても活躍しました。

中日コーチ時代には、星野仙一監督からの信頼も厚く、今中慎二や山本昌らを指導し、その才能を開花させました。スカウトとしては、イチローの才能を高く評価し、球団に獲得を進言したことでも知られています。

2023年1月16日、池田英俊は85歳で生涯を閉じました。その功績は、広島カープの歴史に深く刻まれ、多くの野球ファンに語り継がれています。

池田英俊は、剛球と緻密な投球術で広島カープを支えた名投手であると同時に、指導者としても多くの選手を育成し、野球界に大きく貢献した人物でした。

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