汪兆銘政権の行政区分

汪兆銘政権の行政区分の概説

本記事では、1940年3月から1945年8月にかけて存在した汪兆銘政権（南京国民政府）の行政区分について解説します。汪兆銘は1940年3月30日に南京市において親日勢力を結集し、国民政府の成立を宣言しました。この政権は、蔣介石が指導する重慶国民政府と決別し、7省4市を管轄する形で運営されました。この政権は、日本の敗戦によって1945年に崩壊するまで続きました。

行政機構の構成

汪兆銘政権は、省と県の二級制を採用し、地方行政の最高組織を省と位置付けました。省の運営は国民政府と同様に合議制が採用され、主席1名と9名から11名の委員で構成されていました。しかし、1941年1月に米英に対し宣戦布告したことで、政権は戦時体制に移行し、効率的な行政運営が求められるようになりました。これに伴い、同年の最高国防会議で行政機構の統一が進められ、合議制が廃止され、省長の設置が決定されました。この変更により、行政における責任の所在が明確化され、効率も向上しました。

さらに、1月28日には行政機関の統合が進められ、秘書処や民政庁が廃止され、業務は政務庁に集約されました。5月20日には清郷委員会が廃止され、その代わりに各省には行政督察専員公署が設けられました。

省級行政機関の設置

1941年1月20日以降、省公署には複数の局が設置されました。具体的には、民政局、財政局、建築局、教育局、工務局、地政局、衛生局が整備され、各省の行政機能が強化されました。これにより、国民に対するサービスの向上が図られました。

地方行政区画の一例

汪兆銘政権下の重要な地方行政区画の一つが華北政務委員会です。これは中華民国の臨時政府を基に改編されたもので、華北地域の自治を原則として統治していました。初めは委員長の王克敏の下に、内務、財政、治安、教育、実業、建設などの各総署と政務庁、秘書庁が設置され、地域の統治に貢献しました。

特別市の構成

特別市は、市長をトップに、2名から4名の参事とともに秘書処および財政、社会、工務、教育、警察、経済、衛生の7局が整備され、地域の治理が行われました。特別市としては、南京、上海、漢口、廈門などがあり、いずれも地域の重要な政治経済の中心地として機能しました。

下部行政区画

汪兆銘政権下の行政区分としては、江蘇省、浙江省、安徽省、湖北省、広東省、江西省、淮海省があり、これらは汪兆銘政権の政策が及ぶ範囲でした。各省の管理が強化されることで、汪政権は一貫した逞しい地域統治を目指しました。これにより政権の持続可能な運営が図られ、国民への直接的影響を与えることができました。

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