決めろ!フィニッシュ

決めろ!フィニッシュ

『決めろ!フィニッシュ』は、1972年5月28日から同年10月1日まで、東宝の制作でTBS系列の毎週日曜日に放送された女子体操をテーマにしたテレビドラマです。この作品は全18話で構成され、ミュンヘンオリンピック開催に合わせて制作されたスポーツ根性ドラマとして知られています。

概要

ドラマのヒロインは白鳥みゆきで、彼女と恋人の小野次郎は数々の困難を乗り越えながら成長していく姿が描かれています。タイトルには、宣弘社の渡辺邦彦が名付け親として関与しました。提供スポンサーは武田薬品工業であり、『タケダアワー』として放送されました。女性が主役のドラマは、前回の放送から12年振りとなり、特に注目を集めました。番組内で使用された体操用具は美津濃のもので、タケダアワーの別の番組『ガッツジュン』とのタイアップにより提供されました。

このドラマは、初回7.3%という視聴率からスタートし、徐々に視聴率は上昇し、終盤には10%台を維持するようになりました。前番組『シルバー仮面ジャイアント』からの逆転視聴率争いが繰り広げられましたが、視聴率は肉薄するも完全な逆転には至りませんでした。後の書籍では、本作は特撮ヒーロー番組『シルバー仮面ジャイアント』と『アイアンキング』の接点となる作品として位置付けられることもあります。プロデューサーの橋本洋二は、本作品を18話で完結させ、次の作品に充てる時間を確保する決断を語っています。

あらすじ

物語の舞台は女子体操の名門、東和学園高校です。新入生の白鳥みゆき（演：志摩みずえ）は、幼馴染の棒高跳び選手小野次郎（三ツ木清隆）の励ましを受けながら、克服すべき課題に立ち向かいます。特訓を経て、高所恐怖症を克服し、さらには困難な段違い平行棒もマスターしていきます。しかし、次郎の突然の転校を受けて、みゆきはスランプに陥ります。それでも彼女は「日本のベラ・チャスラフスカ」を目指し、再起を図っていくのです。

スタッフ

この番組は多くのスタッフの手によって支えられました。プロデューサーには香取擁史（東宝）と橋本洋二（TBS）が名を連ね、音楽は小川よしあきや渡辺岳夫が担当しました。撮影を内海正治、田端金重、田島文雄が行い、美術監督には儘田俊雄が起用されています。他にも照明や録音、編集など、さまざまな専門家が関与しています。

キャスト

主要なキャストには、白鳥みゆきを演じた志摩みずえや、小野次郎役の三ツ木清隆をはじめ、さまざまな役者が登場します。坂井コーチ役の中山仁、みゆきの母役を演じた白川由美など、個性豊かなキャラクターが物語を彩ります。

主題歌

オープニングテーマ「決めろ!フィニッシュ」は、たかたかし作詞、森田公一作曲・編曲によるもので、歌は沢まき子が担当しました。楽曲は視聴者の記憶にも深く残る印象的なものでした。

ロケ地と漫画

物語の一部シーンは世田谷の野川水道橋などがロケ地として使用されました。また、主演の活動を基にした漫画も数誌に渡って連載され、多くの子供たちに親しまれる存在となりました。児童誌に掲載された漫画は、キャラクターやストーリーの補完として機能し、視聴者のさらなる興味を引き出しました。

このように『決めろ!フィニッシュ』は、ただの美少女ドラマにとどまらず、青年の成長や夢を支える力強いメッセージが込められた作品でした。このドラマは、テレビにおける女子スポーツの描写に新たな風を吹き込み、多くの視聴者に感動を与えました。

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