沓掛宿

沓掛宿：中山道の宿場町

沓掛宿は、中山道六十九次のうち、江戸から数えて19番目の宿場町です。現在の長野県北佐久郡軽井沢町中軽井沢に位置します。

歴史

古代の長倉牧の跡とされ、1535年に追分諏訪神社に奉納された大般若経にある「長倉沓懸」が初出とされています。「沓掛」という名前は、難所であり、天候が悪い時には人や荷物が足止めされた碓氷峠の入口に由来します。両隣の軽井沢宿および追分宿と共に浅間三宿と呼ばれて栄えました。また、草津温泉へ向かう分岐路も存在しました。

甲府藩や小諸藩の領有を経て、1716年以降は幕府の直轄領となりました。

1875年に借宿村と合併して長倉村となり、1889年には軽井沢村・峠町などと合併して東長倉村となりました。その後、軽井沢が避暑地として有名になったため、1923年の町制施行を機に軽井沢町と改称しました。この間の1910年には、信越本線の沓掛駅が開業しています。

しかし、1951年の大火で町のほとんどが焼失してしまったため、往時の様子を伝えるものはほとんど残っていません。その後、1956年に沓掛駅が中軽井沢駅と改称したのを機に、地名も中軽井沢と改称し、以後別荘地や避暑地として発展しています。

宿場の様子

天保14年（1843年）の『中山道宿村大概帳』によれば、沓掛宿の宿内家数は166軒、うち本陣1軒、脇本陣3軒、旅籠17軒であり、宿内人口は502人でした。

周辺

長倉神社：境内裏手には、長谷川伸の芝居や映画『沓掛時次郎 遊侠一匹』で有名な「沓掛時次郎の碑」があります。
しなの鉄道 中軽井沢駅が最寄り駅です。
隣の宿場は、中山道の軽井沢宿と追分宿です。

参考資料

「信州の文化シリーズ 街道と宿場」信濃毎日新聞社 1980年

沓掛宿は、かつて中山道の重要な宿場町として賑わいを見せましたが、大火や地名の変更を経て、現在は静かな別荘地となっています。しかし、長倉神社などにわずかに残る史跡が、その歴史を今に伝えています。

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