沖大東島

沖大東島（おきだいとうじま）

沖大東島は、大東諸島に属し、沖縄県島尻郡北大東村に位置する小さな島です。別名「ラサ島」とも呼ばれ、周囲約4.34キロメートル、面積約1.19平方キロメートルの隆起サンゴ礁で形成されています。この島はフィリピン海の沖大東海嶺の最高部にあり、そのため独特の地形と気候を持っています。

島の地理と気候

沖大東島は南大東島の南約160キロメートル、那覇市の南東約408キロメートルに位置しています。隆起したサンゴ礁で構成され、北大東島に似た三角形の形状をしています。最高地点は北部にあり、標高31.1メートルです。島の周囲は断崖で取り囲まれており、中央は海岸より低い凹地となっています。

気候は温暖で、年間平均気温は約24度、降水量は1296.6ミリメートルです。季節によってはにわか雨が多く見られ、特に7月から10月までは台風シーズンとなります。過去にはリン鉱石が採掘されており、その影響で臨時の交通難が生じたこともありました。

リン鉱石の存在と採掘の歴史

沖大東島はリン鉱石が豊富に存在し、1911年から1944年の間に約160万トンが採掘されました。この時期、島の景観は大きく変化しました。元々存在していた植物相や動物相も、採掘に伴い激変し、多くの種が絶滅したとされています。

リン鉱石は当初、多くの海鳥の糞から生成されたグアノが起源となっており、そのリン酸と石灰岩との反応により形成されました。鉱業所の設立後も、様々な会社がその権利を巡って争いを繰り広げ、最終的には恒藤規隆がラサ島燐鉱合資会社を設立し、より効率的な採掘を実現しました。

植物と動物の生態

沖大東島の植生は非常に限られたものであり、過去の調査によると、約42種の種子植物と2種のシダ植物が存在していました。特にビロウ林が特徴で、非常に密生した構造を持っていました。しかし、リン鉱石の採掘が進む中で、この植生は次第に減少し、現在は非常に限られた種しか見られなくなっています。

動物相については、島内にはメジロや昆虫類が存在したものの、爬虫類や哺乳類はほとんど見られず、南大東島や北大東島に生息する種が沖大東島にはいなかったと考えられています。

戦後の沖大東島

戦後、沖大東島はアメリカの軍政下に置かれ、「沖縄の宝庫」として注目されましたが、リン鉱石の採掘は困難になり、最終的には米軍の射爆場として使われることになりました。1970年代以降、一般人の立ち入りは禁止され、地域の構造は大きく変わりました。

現在も沖大東島は、昔のリン鉱石の名残を残しつつ、新たな利用方法を模索し続けている状況です。しかし、現在も土地の大部分は軍事施設として利用されており、住民の生活は非常に restricted されています。

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