沖縄で好きになった子が方言すぎてツラすぎる

『沖縄で好きになった子が方言すぎてツラすぎる』は、空えぐみによる日本の漫画作品で、略称は「沖ツラ」です。2019年5月31日に作者のTwitterで公開された「沖縄で好きになった子が方言すぎて何言ってるかわからない話。」が元となり、新潮社のウェブコミックサイト「くらげバンチ」にて2020年1月10日から連載されています。2024年2月時点で、単行本の累計発行部数は35万部を突破しています。

作品概要

本作は、東京から沖縄に転校してきた男子高校生が、沖縄方言を話すクラスメイトの女子高校生に恋をするというラブコメディです。沖縄の独特な文化や方言がコミカルに描かれており、読者は主人公と一緒に沖縄の言葉や文化を体験することができます。物語は三角関係を軸に展開され、主人公の恋の行方と、沖縄ならではの人間関係や生活が描かれています。作中の方言は、沖縄県出身の譜久村帆高が監修しており、その正確さも魅力の一つです。

あらすじ

主人公の中村照秋は、父親の仕事の都合で東京から沖縄の高校に転入します。そこで出会った同級生の喜屋武飛夏に一目惚れしますが、彼女が話す「うちなーぐち」（沖縄方言）が全く理解できません。照秋はいつも飛夏の友人である比嘉夏菜に通訳を頼むのですが、実は夏菜は照秋に片想いをしているという、三角関係のラブストーリーが展開されます。

登場人物

主要人物

中村照秋（なかむらてるあき）：てーるー
声 - 大塚剛央 / ファイルーズあい（PV）
本作の主人公。東京から沖縄に引っ越してきた高校生。沖縄の文化や方言に戸惑いながらも、飛夏に惹かれていきます。アルコールに非常に弱く、沖縄の特産品であるコーレーグースや豆腐ようでも酔ってしまう。

喜屋武飛夏（きゃんひな）：ひーなー
声 - 鬼頭明里
うちなーぐちレベル：5/5（70代のうちなーぐち相当）
照秋のクラスメイト。黒髪ロングで色黒の小柄な女の子。天真爛漫で面倒見が良い性格。非常に深い沖縄方言を話すため、通訳が必要な場面が多い。沖縄の古い風習や文化にも詳しい。

比嘉夏菜（ひがかな）：かーなー
声 - ファイルーズあい
うちなーぐちレベル：4.5/5
照秋のクラスメイト。少しウェーブのかかった茶髪で色黒の女の子。ギャル風に見えるが、実際は引っ込み思案な性格。照秋に密かに想いを寄せている。三線を弾くことができ、飛夏の言葉が分からない照秋のために通訳役を務める。

クラスメイト

安慶名八重（あげなやえ）：やーえー
声 - 下地紫野
照秋のクラスメイト。ショートヘアでツリ目の女の子。夏菜の親友で、照秋と夏菜の関係をからかう。

下地勲（しもじいさお）
声 - 熊谷健太郎
照秋のクラスメイト。一般的な沖縄の高校生レベルの方言を話す。

上間天介（うえまてんすけ）
声 - 仲村宗悟
照秋のクラスメイト。天ぷら屋の息子で、沖縄の食べ物について教えてくれる。

我妻真冬（あがつままふゆ）：まふゆー/ふーゆー
秋に転校してきた。愛想が悪くぶっきら棒な口調だが、徐々にクラスメイトと打ち解けていく。

主要人物の家族

比嘉すず（ひがすず）：すーずー
声 - 島袋美由利
夏菜の妹。いたずら好きでトマトが苦手。

比嘉なおや（ひがなおや）
声 - 紡木吏佐
夏菜の従兄弟。

比嘉鉄（ひがてつ）：てーつー/鉄さん
声 - 金城大和
夏菜の兄。漁師で、三線が得意。

中村雅彦（なかむらまさひこ）
照秋の父。仕事の都合で沖縄に引っ越してきた。

喜屋武幸子（きゃんさちこ）
声 - 儀武ゆう子
飛夏の祖母。

反響・評価

本作は、20代～30代を中心に人気を集め、「ニコニコ静画」の青年ランキングで1位を獲得しました。単行本1巻は発売後すぐに重版となり、書泉や沖縄県内の書店では複製原画が展示されました。2021年には、第7回沖縄書店大賞で沖縄部門の準大賞を受賞し、漫画として初の受賞作となりました。那覇市のジュンク堂書店では、『ONE PIECE|ONE_PIECE』や『進撃の巨人』といった人気漫画を超える売り上げを記録しています。

制作背景

作者の空えぐみは、上京後に沖縄出身の漫画家と知り合い、沖縄に興味を持つようになったことがきっかけで、沖縄を題材にした漫画を描こうと思い立ちました。2018年には沖縄のうるま市に移住し、現地での生活を通じて物語のヒントを得ています。また、作者の祖父が沖縄出身であることも、本作を制作する上で大きな動機となったと語っています。

物語の着想は、まずヒロインをウチナーグチを話す女の子、主人公を県外からの転校生に設定し、その上で通訳役となるもう一人のヒロインを登場させ、三角関係になるように物語を構成したとのことです。

書誌情報

空えぐみ『沖縄で好きになった子が方言すぎてツラすぎる』新潮社〈バンチコミックス〉、既刊8巻（2024年2月8日現在）

テレビアニメ

2025年1月よりTOKYO MXほかにて放送開始。沖縄県では、史上初の民放3局での同時放送が予定されています。ナレーションは新垣樽助が担当します。

スタッフ

原作 - 空えぐみ
総監督・作画プロデューサー - 板垣伸
監督 - 田辺慎吾
シリーズ構成 - 田辺慎吾、板垣伸
キャラクターデザイン - 吉田智裕
アニメーション制作 - ミルパンセ

主題歌

オープニングテーマ：「大大大好き」HY
エンディングテーマ：「島人ぬ宝」ひーなー（鬼頭明里）&かーなー（ファイルーズあい）

その他

ふるさと納税型クラウドファンディングが、沖縄県うるま市と連携して実施。
Webラジオ「ひーなーの『沖ツラジオ』〜沖縄を好きになった子が方言を学びつつラジオする〜」が配信予定。

外部リンク

沖縄で好きになった子が方言すぎてツラすぎる - 空えぐみ | くらげバンチ
TVアニメ『沖縄で好きになった子が方言すぎてツラすぎる』公式
沖縄で好きになった子が方言すぎてツラすぎる【公式】 (@okitsura) - X（旧 Twitter）

もう一度検索