沖縄山形屋

株式会社沖縄山形屋は、かつて沖縄県那覇市、国際通り沿いに存在した百貨店です。鹿児島県に本社を置く山形屋の系列会社として、沖縄の商業に深く関わってきました。

創業から終戦まで

沖縄山形屋の歴史は、1922年（大正11年）に山形屋呉服店の沖縄支店として、那覇市西本町に開店したことに始まります。1930年（昭和5年）には、那覇市東町に新築移転し、沖縄初の百貨店として開業しました。当時としては画期的な存在であり、多くの人々で賑わいました。しかし、1944年（昭和19年）10月、沖縄は戦火に巻き込まれ、店舗は空襲によって焼失してしまいます。それでも、従業員たちは焼け残った寮を仮店舗として営業を続け、地域の人々の生活を支え続けました。

戦後の復興と成長

終戦後の1950年（昭和25年）、沖縄山形屋は山形屋から独立し、那覇市二区九組の神里原通りに新店舗を構え、新たなスタートを切りました。1953年（昭和28年）には、沖縄本島中部の越来村（現在の沖縄市）に胡差支店を開店し、事業を拡大しました。さらに1955年（昭和30年）には、国際通りに移転し、新装開店を果たしました。この頃から、沖縄山形屋は国際通りのランドマークとしての地位を確立していきます。

1972年（昭和47年）5月には、沖縄の本土復帰に伴い、急激な変化に対応するため、再び山形屋と資本提携し、その傘下に入りました。国際通りの好立地と経済成長を背景に、沖縄山形屋は1991年（平成3年）3月期には約101億円の売上を記録するなど、業績は非常に好調でした。

閉店へ

しかし、1990年代後半になると、郊外への大型店の進出や国際通りの集客力低下などの影響を受け、沖縄山形屋の経営状況は悪化の一途を辿ります。店舗の売り場面積を拡大することができなかったことも、経営を圧迫する要因となりました。1998年（平成10年）2月期には約71億円、1999年（平成11年）2月期には約57億円と、売上は急速に減少しました。その結果、当期損益は約2.74億円の損失となり、約1.53億円の債務超過に陥りました。業績の改善が見られないことから、1999年（平成11年）8月31日、沖縄山形屋は閉店することになりました。閉店時には、全従業員134人が解雇されましたが、グループ企業への再就職や、あっせんによる転職で、新たな働き口を見つけた従業員は一部にとどまりました。

閉店後の跡地利用

閉店後、建物はそのまま残され、跡地利用が検討されました。一時、那覇市による一括買取も検討されましたが、財政的な問題から断念されました。その後、民間企業による買収や、再開発計画などが持ち上がりましたが、紆余曲折を経て、2006年（平成18年）6月20日にホテルJALシティ那覇が開業しました。沖縄山形屋の跡地は、現在では国際通りの新たなランドマークとして活用されています。

沿革

1922年（大正11年）：山形屋呉服店の沖縄支店として那覇市西本町に開店
1930年：那覇市東町に新築移転し、沖縄初のデパートとして開店
1944年（昭和19年）10月：十・十空襲により店舗を焼失
1950年（昭和25年）：独立して沖縄山形屋となり、那覇市神里原通りに新店舗を開店
1953年（昭和28年）11月：越来村胡屋の胡屋十字路の一角に胡差支店を開店
1955年（昭和30年）：国際通りに移転
1959年（昭和34年）：胡差支店を閉店
1972年（昭和47年）5月：再び山形屋と資本提携してその傘下に入った
1991年：同年3月期の売上高が、当店最高の約101億円を記録
1994年：全面改装を行う
1997年：地下の生鮮食料品売場を廃止
1999年（平成11年）5月20日：社長が同年8月末での閉店を発表
1999年（平成11年）8月31日：閉店および従業員の解雇
2003年（平成15年）1月：同月までに敷地と建物が譲渡され、建物の解体工事が開始
2004年（平成16年）12月10日：清算を結了
2006年（平成18年）6月20日：跡地を利用した「ホテルJALシティ那覇」が開業

関連事項

山形屋
国際通り
牧志

外部リンク

山形屋グループ（公式サイト）

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