沖縄県道70号国頭東線

沖縄県道70号国頭東線：やんばるを縦断する道

沖縄県道70号国頭東線は、沖縄本島北部の国頭村から東村へと続く主要地方道です。かつては「名護国頭線」として知られ、県内でも有数の長さを誇っていましたが、路線の再編により現在の形となりました。この道路は、沖縄本島北部の大部分を占める山林地帯、通称「やんばる」を縦断しており、変化に富んだ景観が楽しめます。

概要

県道70号線は、沖縄本島東海岸の山間部を南北に結ぶ主要な道路であり、その大部分が自然豊かなやんばる地域を通っています。そのため、沿線には人口が少なく、信号もごく一部の地域にしかありません。特に終点近くの東村役場周辺に集中しています。かつては県内で最長の県道であり、国道を含めても3番目に長い路線でしたが、現在では県道としては最長、本島内では4番目の長さとなっています。

道路はドライブやツーリングに適しており、多くの観光客や地元住民に利用されています。しかし、一方で交通事故も発生しており、特にヤンバルクイナの交通事故が問題となっています。このため、一部区間では速度制限が設けられ、動物保護のための標識も設置されています。また、東村高江付近にはアメリカ軍北部訓練場のゲートがあり、警備兵が県道上に出入りすることもあります。

路線データ

• - 起点：国頭郡国頭村字奥（国道58号交点）
• - 終点：国頭郡東村字平良（国道331号交点）
• - 総延長：52.1km

歴史

この道路の歴史は古く、1953年には琉球政府道13号線として一部区間が指定されました。当時は東村までしか通行できず、未舗装の部分も多くありました。1972年の本土復帰に伴い、主要地方道名護国頭線に指定されましたが、東村から国頭村にかけての区間は依然として未舗装でした。1980年代初頭にようやく全線舗装が完了し、沖縄本島を一周するドライブコースとして知られるようになりました。1993年には、一部区間が国道に昇格したため、現在の県道70号線となりました。

路線状況

• - 重複区間：沖縄県道2号線（国頭郡国頭村字安田 - 国頭郡国頭村字安波）

道路施設

• - 橋梁：大泊橋

• - 道の駅

- サンライズひがし（国頭郡東村）：2020年に道の駅に指定。
- やんばるパイナップルの丘 安波（国頭郡国頭村）：2022年3月30日オープン。

路線バス

かつては路線バスが運行していましたが、2018年以降は東村が独自のコミュニティバスを運行しています。国頭村営バスと東村コミュニティバスが、地域住民の交通手段として活躍しています。

地理

通過する自治体

• - 国頭郡国頭村
• - 国頭郡東村

交差する道路

• - 国道58号
• - 国道331号
• - 沖縄県道2号線

沿線施設

• - 国頭村立奥小学校
• - 国頭村立安波小学校
• - 東村立高江小中学校
• - 東村立東小中学校
• - 東村役場

ヤンバルクイナ保護への取り組み

この道路沿線は、特別天然記念物のヤンバルクイナが生息する地域です。交通事故による死亡事故が多発しており、特に繁殖期にはその危険性が高まります。そのため、一部区間では速度制限が30km/hに引き下げられ、動物注意の標識が設置されています。この速度制限は、動物保護を目的とした珍しい事例として知られています。

米軍基地との関係

東村高江付近には、アメリカ軍北部訓練場のゲートがあり、県道上から兵士が出入りすることがあります。このため、地元住民からは安全上の懸念や、基地の存在に対する抗議の声も上がっています。

まとめ

沖縄県道70号国頭東線は、美しい自然と地域の歴史が交差する、魅力的な道路です。ドライブやツーリングを楽しむだけでなく、やんばるの自然や地域の人々の暮らしを感じることができます。しかし、交通事故やヤンバルクイナの保護、米軍基地の問題など、様々な課題も抱えている道路でもあります。

脚注

沖縄県の県道一覧 (例)

外部リンク

県道70号国頭東線 (例)

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