沖野眞已

沖野眞已（おきの まさみ）は、1964年に生まれた日本の法学者であり、民法を専門としています。米倉明の門下としても知られています。

生い立ちと学歴

沖野氏は奈良県で生まれ、高校時代には英語への憧れから1年間アメリカに留学しました。その後、東京大学文科一類（教養学部）に入学。「なんとなく、つぶしが効きそう」という理由で文科一類を選んだと述べています。当時、女性が長く働ける仕事が少ないと考え、法学部で司法試験に合格すれば生活に困らないだろうという打算的な考えもあったそうです。入学当初は外交官を目指していたものの、星野英一教授の民法のゼミで研究の面白さに目覚めました。卒業後は司法修習に進む予定でしたが、研究への情熱を捨てきれず、星野教授に相談したところ、「あなたは研究者に向いている」と背中を押され、研究者の道に進むことを決意しました。

職歴

1987年3月、東京大学法学部第1類（私法コース）を卒業。同年4月に東京大学法学部の助手に就任しました。その後、1990年10月に筑波大学社会科学系の専任講師、1993年4月には学習院大学法学部の助教授となりました。1996年5月にはバージニア大学ロー・スクールを修了し、LL.M.（法学修士）を取得。1999年4月、学習院大学法学部の教授に昇任し、2007年4月には一橋大学大学院法学研究科の教授に就任しました。2010年10月からは、東京大学大学院法学政治学研究科の教授として教鞭を執っています。

主な著作

沖野氏は、民法に関する多くの著作を執筆しており、共編著として以下のような書籍があります。

『民法演習サブノート210問』（弘文堂、2018年7月）（窪田充見、佐久間毅と共編）
『講義 債権法改正』（商事法務、2017年12月）（中田裕康、大村敦志、道垣内弘人と共編）
『条解信託法』（弘文堂、2017年12月）（道垣内弘人（編著）、大村敦志、角紀代恵、加毛明、佐伯仁志、佐久間毅、菱田雄郷、弥生真生、山下純司と共著）

また、論文としては、

『信託財産破産をめぐる諸問題』（ジュリスト1450号、2013年2月）
『契約の解釈に関する一考察 ーフランス法を手がかりにしてー』（法学協会雑誌 = Journal of the Jurisprudence Association、1992年8月）

などがあります。

研究活動

沖野氏は、民法の中でも特に信託法や契約法に関する研究に力を入れています。フランス法を参考にしながら、契約の解釈に関する考察を深めるなど、比較法的な視点も取り入れた研究活動を展開しています。また、民法改正にも関与し、その研究成果は、現代社会における法制度の発展に大きく貢献しています。

人物像

沖野氏は、研究者としての深い専門知識と、教育者としての熱意を兼ね備えています。学生からは、その明晰な講義と親身な指導が高く評価されており、多くの法曹界の人材を育成しています。また、その知的な好奇心と探求心は、民法分野における今後の研究の進展にも大いに期待されています。

外部リンク

兼任教授情報公開用（最近5年間の主な業績等）（一橋大学大学院法学研究科）)

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