没食子酸エピガロカテキン

没食子酸エピガロカテキン（EGCG）とは？

没食子酸エピガロカテキン（EGCG）は、緑[[茶]]に豊富に含まれるカテキンの一種です。正確には、エピガロカテキンと没食子酸が結合したエステル化合物で、強力な抗酸化作用を持つことで知られています。紅茶にも含まれますが、製造過程でテアルビジンに変換されるため、緑[[茶]]ほど多くはありません。EGCGは様々なサプリメントにも利用されており、健康への効果が期待されています。

EGCGの性質

EGCGは熱に比較的安定しています。沸騰水に短時間さらしても、その量はほとんど減少せず、高温下での変化もわずかです。しかし、高温長時間加熱など、特定の条件下ではエピメリ化（立体異性体の変化）が起こる可能性があります。

EGCGの有効性

複数の研究から、EGCGには様々な健康効果が示唆されています。メタアナリシスによると、EGCG単独での摂取でもエネルギー代謝の向上に効果がある可能性があります。また、緑[[茶]]を飲むことによる減量効果は、緑[[茶]]に含まれるEGCGの量と関連している可能性も示唆されています。ただし、カフェインの量も減量効果に影響している可能性があり、EGCG単独の効果を断定するには、さらなる研究が必要です。さらに、EGCGは低密度リポタンパク質コレステロール（LDL-C）を低下させる効果も報告されています。

基礎研究

試験管内での研究では、EGCGが乳がん細胞の増殖を抑制する効果を示しています。また、HIV感染に関する研究では、EGCGがAIDS関連の認知症に関わるプラークの減少や、HIVの感染に関与するgp120の働きを阻害する可能性が示唆されています。しかし、これらの効果は試験管内や動物実験での結果であり、ヒトでの臨床試験で効果が確認されているわけではありません。緑[[茶]]の摂取がHIV感染を治療または予防することを示す証拠はありません。シェーグレン症候群などの自己免疫疾患への予防効果も基礎研究で示唆されていますが、ヒトでの臨床試験での検証が必要です。これらの基礎研究では、非常に高濃度のEGCGを使用している場合が多く、実際に緑[[茶]]を飲んだ場合に同等の濃度が体内に到達するかどうかは不明です。

EGCGの副作用と安全性

EGCGの副作用として、胃腸炎やまれに肝毒性が報告されています。しかし、発がん性については明確な証拠はなく、緑[[茶]]の摂取とがんリスクの関連を示す疫学研究もありません。

EGCGのサプリメント摂取量については、安全性に関する意見が分かれています。あるレビューでは、健康な成人で1日800mgを超える摂取で肝臓への副作用が報告されている一方、別のレビューでは1日300mgを安全量としています。緑[[茶]]飲料として摂取する場合には、1日704mgでも安全であるという報告もあります。肝機能に問題のある方や、薬を服用している方は、EGCGの摂取について医師に相談することをお勧めします。高濃度のEGCGは、細胞内の活性酸素の発生を増加させる可能性があるという報告もあります。

EGCGと薬物相互作用

マウスモデルを用いた研究では、EGCGが抗がん剤ボルテゾミブと結合し、その効果を低下させる可能性が示唆されています。そのため、抗がん剤治療を受けている患者は、緑[[茶]]や緑[[茶]]抽出物の摂取を控えるべきだと考えられています。

NOAEL値

NOAEL（無毒性量）は、動物実験から得られた情報に基づいて設定されます。ラットや犬での経口摂取試験の結果から、EGCGのNOAEL値は種や摂取方法、期間によって異なっており、動物実験の結果をそのままヒトに適用することはできません。

まとめ

EGCGは健康に有益な効果が期待される一方で、高濃度での摂取は肝臓への負担となる可能性があります。安全な摂取量については、さらなる研究が必要です。サプリメントを摂取する場合は、用法・用量を守り、医師や薬剤師に相談することが重要です。また、薬を服用している場合は、薬物相互作用に注意が必要です。緑[[茶]]は安全な食品ですが、EGCGの過剰摂取には注意しましょう。

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