沢井実

沢井実（さわい みのる）について

沢井実は、日本の経済史学者であり、大阪大学名誉教授として知られています。1953年11月20日、和歌山県に生まれた彼は、経済学の領域において多大な貢献を果たしてきました。教育歴としては、1978年に国際基督教大学の教養学部を卒業した後、東京大学大学院経済学研究科に進学。1983年には同研究科の博士課程において単位を取得し、後に大阪大学から「日本鉄道車輌工業史」で博士号を授与されました。

学歴とキャリアの初期

沢井の学問の道は、東京大学社会科学研究所での助手の職に始まり、その後北星学園大学にて講師としてのキャリアを積みました。1989年には助教授に昇進し、1991年からは大阪大学経済学部の助教授として活動しています。その後、1998年には教授に就任し、2015年には企業家研究フォーラムの会長にも就任しました。また、2017年からは南山大学経営学部で教授を務めています。

受賞歴

彼の研究は高く評価されており、1997年には中小企業研究奨励賞を受賞。その翌年には、共編著となる『近代日本における企業家の諸系譜』が日刊工業新聞技術科学図書文化賞を獲得しました。さらに、2012年に著書『近代日本の研究開発体制』で日経・経済図書文化賞を、2024年には『日本帝国圏鉄道史』で鉄道史学会の住田奨励賞を受賞するなど、彼の業績は顕著です。

主な著作

沢井は数多くの著書を著しており、それぞれが経済史や産業に関する重要な知見を提供しています。彼の代表作として、『日本鉄道車輌工業史』（1998年）、『近代日本の研究開発体制』（2012年）、『見えない産業 酸素が支えた日本の工業化』（2017年）などが挙げられます。また、彼は大阪の工業教育や産業発展についても深い考察を行っており、『近代大阪の工業教育』（2012年）や『近代大阪の産業発展 集積と多様性が育んだもの』（2013年）といった著作も有名です。

共編著・翻訳

沢井はまた、共編著や翻訳にも従事しており、多様な視点から日本経済を検討するための基盤を築いています。共編著には『近代日本における企業家の諸系譜』や『日本経営史 江戸時代から21世紀へ』などがあり、翻訳作業にも力を入れています。

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