沮渠安周

沮渠安周（そきょ あんしゅう）は、五胡十六国時代の北涼の後継政権、高昌北涼の最後の王として知られています。

生涯

匈奴の支族である盧水胡族の出身であり、彼の人生は動乱の時代を色濃く反映しています。兄である哀王、沮渠牧犍（そきょ ぼくけん）の治世下では、楽都郡太守という要職に任じられ、その能力を発揮していました。

北魏による北涼への圧力が強まる中、太平真君2年（441年）には、彼の兄である沮渠無諱（そきょ ぶき）が北魏によって酒泉王に封じられます。沮渠安周は、兄から軍勢を与えられ、鄯善（ぜんぜん）へと向かい、これを降伏させることに成功しました。これにより、北涼の遺民たちは新たな根拠地を得ることとなり、勢力を保つことができました。

承平2年（444年）には、前年に高昌で王位に就いていた沮渠無諱が亡くなったため、沮渠安周がその後を継いで王位に即位しました。彼の即位は、高昌北涼にとって新たな時代の始まりを意味していました。即位後、南朝宋（そう）から都督涼沙河三州諸軍事・涼州刺史・河西王（ととくりょうさかかさんしゅうしょぐんじ・りょうしゅうしし・かせいおう）に封じられ、その地位を確固たるものとしました。

しかし、彼の治世は長くは続きませんでした。承平18年（460年）のこと、強大な遊牧民族である柔然（じゅうぜん）が高昌に侵攻しました。この侵攻によって、沮渠安周は殺害され、ここに北涼は名実ともに滅亡という結末を迎えました。彼の死は、北涼の歴史に終止符を打つ出来事となりました。

北涼滅亡後、高昌の地は新たな時代を迎えます。闞伯周（かん はくしゅう）が柔然によって擁立され、高昌国王となり、闞氏高昌（かんしこうしょう）が開かれることになります。この新たな王朝は、高昌の地における新たな文化と歴史を紡いでいくこととなります。

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