河内一友

河内 一友（かわうち かずとも）について

河内一友は、1947年5月18日に生まれた日本の実業家です。彼は、MBSメディアホールディングスの相談役最高顧問を務めている他、毎日放送の前取締役会長でもあります。京都府京都市に生まれ、同志社大学を卒業後、1971年に毎日放送に入社しました。

職歴と業績

毎日放送に入社した後、河内は営業や事業部門を中心にキャリアを積んでいきました。1993年には東京支社のテレビ営業部門で部長を務め、その後はラジオ営業局長兼業務部長、事業局長、取締役テレビ本部副本部長など、様々な重要な役職を歴任しました。そして、2007年には第8代代表取締役社長に就任し、2015年には代表取締役会長に昇進しました。

彼の在任中の最大の課題は、2011年に控えていた地上波テレビのデジタル移行をスムーズに行うことであり、MBSの新たなビジョンを描くことでした。特にデジタル時代に適したコンテンツ提供を行うことが求められました。

しかし、2008年のリーマン・ショックにより、MBSは深刻な影響を受けました。経済的な環境の変化に伴い、広告収入が減少し、特にテレビのスポットCM収入が大幅に落ち込む中で、河内は重要なイベントやプロジェクトを縮小しなければなりませんでした。例えば、「オーサカキング」というイベントは、巨額な経費がかかるために終了が決定されました。

メディアへの影響

河内は特にスポーツ中継にも厳しい判断を下しました。毎日甲子園ボウルの放送が縮小されたり、全国高校ラグビー大会のラジオ中継が全廃されたことは、彼が直面した経営判断の一例です。こうした中、MBSはラジオの大規模な改編を行い、聴取率向上を目指しました。この改編が功を奏し、当時の聴取率調査では8年ぶりに単独首位を奪還しました。

また、彼は創価学会との取引を再開するという難しい決断も行いました。リーマンショック前の慎重な姿勢から転換し、広告収入の確保を優先することになりました。これにより、新たなビクスコードの形成が促されました。

近年の活動

さらに、河内はMBSの都心回帰を進め、茶屋町への新本社移転を推進しました。同時に、文化事業としての『まんが日本昔ばなし』のDVD化を実現し、そのリリースは視聴者からの高評価を得ました。特に、60周年を祝う取り組みが印象的で、デジタル移行の完了とともに会社名を「毎日放送」から「MBS」と改め、新たなロゴを制定しました。

2015年には、ワイドFMの実施に向けた放送免許の申請も行い、次代に備えた改革を進めました。64歳での社長辞任を発表し、後任には常務取締役の三村景一が就任しました。

結論

河内一友の実績は、メディア業界におけるデジタル化の加速や、経済的困難に直面する中での事業の持続可能性を示す重要なものであり、今後のメディアの発展に向けた基盤を作り上げたと言えます。

もう一度検索