河合良成

河合良成について



河合良成(かわい よしなり、1886年5月10日 - 1970年5月14日)は、日本の農商務官僚政治家実業家として知られる重要な人物であり、富山県高岡市の名誉市民でもあります。彼は第1次吉田内閣において厚生大臣を務めたほか、小松製作所の会長や経団連の常任理事を歴任しました。

生い立ちと学生時代



河合は富山県福光町に生まれ、酒造家の家庭で育ちました。隣家には政治家松村謙三が住んでいました。父の藤吉は若い頃から汽船会社を経営し、河合の少年時代は主に伏木で過ごしました。教育面では、四高を経て1911年に東京帝国大学を卒業。四高では寮の風紀を改善するための改革運動に取り組み、帝国大学では自己の文学や哲学へのコンプレックスから精神的な苦痛を抱えました。

農商務省でのキャリア



河合は農商務省に入省し、1918年に外米課の課長として米騒動に遭遇。この騒動の影響で寺内正毅内閣が総辞職する中、責任を取って辞任しました。辞職後は東京株式取引所に転職し、6ヶ月間の欧米視察を経て常務理事に就任し、「取引所論」を多くの大学で教えるようになりました。

帝人事件



1934年には、帝国人造絹糸の株売買に関する疑惑でマスコミに取り上げられ、逮捕される事態に直面します。彼は郷誠之助らとともに勉強会「番町会」を設立していましたが、同会のメンバーが次々に摘発され、河合もその一人となりました。しかし、彼の逮捕は政治的謀略とされ、最終的に無罪となります。

政治家としての活動



1942年には東京市助役に就任し、戦後の1945年には松村謙三の下で農林次官を務めました。1946年には貴族院勅選議員に任命され、同年5月には厚生大臣として第1次吉田内閣に参加しました。さらに1947年には小松製作所の社長に就任し、会社の再建に取り組みましたが、その後公職追放処分を受けることになります。1950年には公職追放解除後、地元富山の衆議院議員に立候補し当選しますが、故郷の批判にさらされ、1期で政治家としてのキャリアを終えました。

経済使節団の活動



1962年には第一次訪ソ経済使節団の団長、1966年には訪中経済使節団の団長を務め、共産圏との貿易拡大に貢献しました。また、日本経団連の常務理事として、国内の経済界にも影響を与えました。

家族と著書



河合良成の家族には、彼を支えた妻・千枝子や、官僚実業家として活躍した子供たちがいます。多くの著書を残しており、著作の中には「取引所講話」や「私の人生遍路」が含まれています。彼は1970年に84歳で亡くなりました。河合の業績は今なお日本の経済、政治に影響を与え続けています。

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