河崎眞澄

河崎眞澄

河崎眞澄（かわさき ますみ、1959年 - ）は、日本のジャーナリスト、政治学者であり、現在は東京国際大学国際関係学部教授を務めています。東京都練馬区出身で、日本大学芸術学部を卒業後、1987年に産経新聞社に入社しました。

ジャーナリストとしての活動

産経新聞社では、シンガポール国立大学への社費留学を経て、台北支局長、上海支局長を歴任。これらの経験から、中国情勢に関する深い知識と分析力を培いました。特に、中国国民党と中国共産党の類似性に着目し、両党の残忍性と偽善性を指摘しています。また、国共内戦後に台湾に渡った人々が、日本統治下の教育を受けた台湾の人々に対して抱く複雑な感情にも言及しています。

李登輝元総統との関係

河崎氏は、台湾の李登輝元総統と深い親交がありました。産経新聞に連載された『李登輝秘録』は、李登輝の生涯を詳細に描いた評伝として高く評価されています。この連載は、2020年に単行本として出版され、初版発売日の前日に李登輝が逝去するという出来事もあり、注目を集めました。

『李登輝秘録』は、李登輝が蒋経国に見出され、総統を継承する過程に焦点を当てています。また、2021年には中国語版が出版され、安倍晋三元首相が追悼文を寄せました。この追悼文で安倍氏は、李登輝が台湾に自由、民主、人権といった普遍的な価値をもたらし、現在に至る日台関係の礎を築いたと称えています。

河崎氏は、李登輝元総統から直接話を聞くことができる数少ないジャーナリストの一人であり、その深い信頼関係は、記事にも表れています。李登輝自身も、河崎氏の記事を、日本の新聞記者が冷静な目で台湾の民主化の道を明確に綴っている稀有な例として高く評価していました。

言論活動

2020年には、花田紀凱氏の言論テレビに出演し、李登輝元総統について語りました。この中で河崎氏は、李登輝元総統との親密な関係を語り、その死を悼みました。

台湾の歴史に対する見解

河崎氏は、1947年に起こった二二八事件についても言及しており、国民党の圧政に反発した台湾の群衆が憲兵によって機銃掃射された事件を、台湾の歴史における重要な出来事として捉えています。この事件をきっかけに台湾各地でデモが発生し、国民党軍によって武力鎮圧された結果、1987年まで戒厳令が敷かれ、多くの人々が投獄・処刑された歴史を指摘しています。

河崎眞澄氏は、ジャーナリスト、政治学者として、中国と台湾の複雑な関係を深く理解し、その歴史的背景を踏まえた上で、両岸関係を分析・評論する貴重な存在と言えるでしょう。

もう一度検索