河村博旨

河村 博旨：日本の法学者

河村 博旨（かわむら はくし、1939年4月1日生まれ）は、日本の著名な法学者であり、主に商法、特に会社法を専門としていました。彼は、函館大学の学長を13年間務め、大学における教育や学校運営に多大な影響を与えました。

略歴

広島県芦品郡有磨村（現在の福山市芦田町）で、長い歴史を持つ織物業の家に生まれました。彼は二男三女の長男として育ちましたが、父親との関係は複雑で、大学在学中に勘当されたとのことです。1961年に中央大学法学部政治学科を卒業し、その後1964年に中央大学大学院法学研究科民事法専攻の修士課程を修了しました。初めは山一證券で勤務していましたが、1967年に函館大学商学部の講師として新たなキャリアをスタートさせました。1989年からは函館大学の学長として大学をリードし、2003年までその職を全うしました。

彼は学長退任後も名誉教授として大学に関与し、特に法律分野における教育に注力しました。その間、河村は読書家として知られ、退職後の66歳で函館を離れるまでに1400冊の本を読んだとされます。さらには、個人用と仕事用の年賀状を2000枚と600枚作成するなど、広範な人脈を保つ努力を惜しみませんでした。

学長時代の業績

河村は函館大学において、「企業人による講義」を導入し、実践に基づく教育を展開しました。1987年からスタートしたこの取り組みは、第一線で活躍するビジネスマンを招いた講義を通じて、理論と実務の結びつきを強化することを目的としていました。年間約12名の講師が招かれ、業界の知識を学生に提供しました。

また、2001年度にはカリキュラムの大幅な見直しを行い、学生生活全般を支援する「塾」制度を導入しました。これは、教員が三人一組で学生をサポートする体制で、入学から就職までの幅広い指導を行うことを目指したものでした。

さらに、河村は海外の大学との姉妹校提携を積極的に進め、天津の南開大学や台湾の朝陽科技大学など、国際的な交流の場を広げました。

晩年の活動

学長退任後も河村は商法と会社法関連の講義を続けましたが、執筆活動にも力を入れました。「報恩感謝」などの著作では、自身の13年間の学長経験を反映した内容を発表しました。晩年には「銀次郎の日記」として、青江由紀夫のペンネームを用いて社会時評やエッセイも執筆しました。

彼は地域社会でも活躍し、多くの政治、経済問題について意見を表明しました。函館市の政策に関する寄稿や、地元警察の協議会の初代会長として、市民の安全と福祉に貢献する姿勢が評価されました。

結び

河村博旨は、法律教育の分野において多岐にわたる活動を行い、函館大学の発展に貢献しました。彼の多様な経験と活躍は、後の世代に大きな影響を与えることでしょう。大腸癌による死去（2016年10月26日）は、その業績をどう評価するかを考えさせるきっかけとなっています。

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