河村茂雄

河村茂雄

河村茂雄氏は、1959年生まれの日本の心理学者であり、初等教育学を専門としています。学級崩壊、教師のリーダーシップ、教師特有のビリーフ、学級経営など、教育現場が直面する課題に対し、実証的な研究に基づいた知見を数多く提供していることで知られています。現在は早稲田大学教育学部教授として教鞭を執り、次世代の教育者を育成しています。

人物

河村氏は筑波大学大学院を修了後、博士（心理学）の学位を取得しました。研究者としてのキャリアをスタートさせる前には、15年間公立学校の教諭および教育相談員として現場経験を積んでいます。その後、岩手大学助教授、都留文科大学教授を経て、早稲田大学教育学部教授に就任しました。

学会活動も活発に行っており、日本カウンセリング学会常任理事、日本教育カウンセラー協会岩手県支部支部長などを務めています。また、日本カウンセリング学会認定カウンセラー、学校心理士、臨床心理士といった資格も保有しています。

河村氏の研究テーマは、論理療法、構成的グループエンカウンター、ソーシャル・スキル・トレーニング、教師のリーダーシップ、Q-Uを用いた学級集団アセスメントなど、多岐にわたります。これらの研究を通じて、学級経営の改善に貢献することを目指しています。

「教育実践に生かせる研究、研究成果に基づく知見の発信」をモットーとしており、研究成果を教育現場に還元することに強い意欲を持っています。

著書（一部）

河村氏は、これまでに多数の著書を出版しています。以下に代表的なものをいくつか紹介します。

『崩壊しない学級経営をめざして－教師・学級集団のタイプでみる学級経営－』
『たのしい学校生活を送るためのアンケート「Q-U」実施・解釈ハンドブック（小学校編）』
『学級崩壊に学ぶ－崩壊のメカニズムを絶つ教師の知識と技術－』
『教師特有のビリーフが児童に与える影響』
『学級崩壊－予防・回復マニュアル－』
『教師のためのソーシャル・スキル』
『学級づくりのためのQ-U入門』
『学級経営に生かすカウンセリングワークブック』

これらの著書は、学級経営に悩む教師にとって貴重な情報源となっており、理論と実践を結びつけた内容が評価されています。

また、國分康孝氏をはじめとする著名な研究者との共著も多数あり、幅広いテーマについて議論を展開しています。

Q-Uについて

河村氏が研究・普及に力を入れている「Q-U」は、子どもたちが学校生活を楽しく送るためのアンケートです。Q-Uは、学級の人間関係や学習意欲を可視化し、教師が学級経営の課題を発見し、改善策を講じるためのツールとして活用されています。小学校、中学校、高等学校向けのものが開発されており、多くの学校で導入されています。

災害と学級経営

東日本大震災後、河村氏は被災地の学校における学級経営の重要性を訴え、『災害時にこそ問われる学級経営力 ― 岩手・三陸編』を出版しました。この著書では、災害という非常時において、教師がどのように子どもたちの心のケアを行い、学級を立て直していくべきかについて、具体的な事例を交えながら解説しています。

河村茂雄氏は、教育現場の課題解決に貢献する実践的な研究者として、今後ますますの活躍が期待されています。

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