河野金昇

河野金昇の生涯と政治活動

河野金昇（こうの きんしょう、1910年2月1日 - 1958年3月29日）は、日本の政治家で、特に愛知県選出の衆議院議員として知られていました。東京に生まれた彼は、幼い頃に足を負傷したことが影響し、その後の人生で障害を抱えることになります。親はその運命に無念さを抱きながらも、兄弟の中で唯一金昇だけを大学に進学させました。

金昇は1933年に早稲田大学専門部を卒業後、政治を志し、大学の先輩である中野正剛の指導を仰ぐこととなります。中野が主宰する東方会に参加し、政治活動に足を踏み出しました。1942年には愛知県から東方会の候補者として立候補しますが、残念ながら当選を果たせませんでした。その後、中野が東條英機内閣を批判し、特高警察に検挙されるという悲劇が彼を襲います。

戦後、金昇は東久邇宮内閣の嘱託を経て、1946年の第22回衆議院議員総選挙で無所属として愛知県第1区から立候補し、当選を果たします。この選挙区は後に愛知県第3区に変更されます。その後、彼は6回にわたり当選し、政治の舞台で活躍しました。所属した会派は、無所属倶楽部から始まり、協同民主党、国民協同党、さらには自由民主党へと変わっていきました。

河野は清廉潔白で強い正義感を持った人物として知られ、その生き方は多くの支持者に愛されました。自宅は一宮市にある工場の2階を借りて暮らし続けたことからも、彼の質素な生活ぶりが窺えます。大臣や顕官といった高位の役職には就かなかったものの、政治活動に情熱を注ぎ続けました。

これまでの歩みの中で、彼は協同民主党の遊説部長や国民党の中小企業部長などを歴任し、衆議院の特別委員長や運輸政務次官も務めました。1963年には衆議院海外同胞引揚に関する特別委員長に就任し、政治の現場で尽力を重ねました。

1958年3月29日、河野金昇は突然の急死を迎えます。彼の死は多くの支持者にとって大きなショックでした。彼の遺志は妻である河野孝子が議員として引き継ぎ、その後、秘書であった海部俊樹が彼の後を継ぐこととなります。このように河野金昇の人生は、彼の清貧と情熱、そして多くの人々に支持され続けた躍動的なものでした。彼の行動や思想は、今でも多くの政治家に影響を与え続けています。

もう一度検索