協同民主党

協同民主党の歴史

協同民主党（きょうどうみんしゅとう）は、1946年から1947年にかけて存在した日本の政党で、主に協同組合主義と労使協調を理念に掲げていました。この政党は、山本実彦を中心に結成され、当初は日本協同党としてスタートを切る予定でしたが、その後の経緯で名称が変更され、「協同民主党」として発足しました。

結成の背景と経緯

1946年、無所属議員による院内団体である「大同倶楽部」との合同計画が進行していましたが、直前に頓挫します。この時、大同倶楽部は国民党を結成することになり、山本たちは小政党の日向民主党や日本農本党と合同し、無所属議員を加える形で新たな政党を立ち上げることを決定しました。

当時の協同民主党は、GHQ民政局からは「戦前の官界に起源を持つ中道主義の組織」と見なされ、農業政策においては小作農ではなく不在地主の利益を代表する政党とされていました。また、軍国主義や全体主義に対する批判をもとに、天皇制に対しても保守的な立場を取っていました。こうした背景から、党の公約は保守的な方向性を強め、党内での権力闘争を引き起こすことになりました。

内部対立とリーダーシップの変化

結党直後、山本は大同倶楽部との合同を再度めざしましたが、交渉は失敗に終わり、党の内部では農村派のメンバーとの対立が激化しました。農村派の北勝太郎らは、山本の政治的スタンスに対する不満を募らせ、結果として除名処分を受けることとなります。さらに、与党第二党の日本進歩党との合同を進めたものの、当時の協同民主党の強い反対により、こちらも白紙に戻されました。

その後、1946年6月に山本の公職追放が取り沙汰され、彼は公職資格審査委員会から議員不適格との表明を受けます。この事態を受けて、山本は再審査を求め、民政局に対して自由主義者であることを訴える活動を行いましたが、最終的には追放令が出されました。1947年2月14日には議員辞職が認められ、山本の追放に伴って党内の主導権が変わります。

三木武夫の台頭

山本の後、党首の座を引き継ぐ形で井川忠雄と三木武夫が主導権を握りましたが、井川が急死してしまいます。この結果、三木は急速に実権を握ることとなります。三木は政治経験が豊富であり、党内での権威も高まり、彼のリーダーシップの下で党務が進められました。

三木は国民党や無所属倶楽部との合同を進める一方で、進歩党との連携を模索しました。しかし、進歩党との合同提案は断られ、協同民主党は1947年3月に国民党や無所属倶楽部と合同して国民協同党を設立する運びになりました。

結語

協同民主党は日本の戦後政治において、中道政党として重要な役割を果たし、特に農業政策や労使の関係において独自の立場を確立していました。しかし、内紛や党首の追放、さらには他党との合同を経て、新たな政党形態に移行するなど、波乱に満ちた歴史を持っています。この党の活動は、後の日本政治における協同主義の広がりへとつながっていくことになります。

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