沼崎山遺跡

沼崎山遺跡（ぬまさきやまいせき）

宮城県登米市豊里町に位置する沼崎山遺跡は、縄文時代から平安時代、そして中世にわたる複合遺跡として知られています。この遺跡は、1977年（昭和52年）3月20日に当時の豊里町指定史跡となり、市町村合併を経て現在も登米市指定史跡としてその価値が保全されています。

概要

遺跡は、登米市豊里町の北東部に位置する標高約100メートルの丘陵地帯の南西端にあります。遺跡自体の標高は約26メートルで、周囲の低地の水田地帯との比高は約10メートルです。

1978年（昭和53年）10月から12月にかけて、豊里町統合小学校の建設に伴い、校舎建設予定地および工事用道路部分にあたる約5400平方メートルの範囲で、宮城県教育庁文化財保護課による発掘調査が実施されました。この調査の結果、経塚、竪穴建物跡、掘立柱建物跡、焼土遺構、土壙、井戸跡、溝、ピット群といった多岐にわたる遺構が検出されました。

検出された主な遺構

竪穴建物跡

6棟の竪穴建物跡が、丘陵の東および南斜面で発見されました。これらの建物跡は、平面形が方形を基調としており、規模は一辺2メートル前後の小型のものから、7メートルに達する大型のものまでありました。いずれの建物跡にも周溝が巡らされ、内部にはカマドが設けられていました。これらの特徴から、平安時代の建物であると推定されています。

掘立柱建物跡

5棟の掘立柱建物跡が見つかりました。そのうち2棟は、大きな方形の掘方を持つものでした。これらの建物がどのような用途で使用されていたのか、詳しいことは今後の研究が待たれます。

焼土遺構

焼土遺構は1基検出されました。平面形は長軸1.8メートル、短軸0.8メートルの南北に細長い長方形で、残存壁高は約10センチメートルでした。堆積土中からは、土師器片や須恵器片が出土しており、当時の生活や文化を知る手がかりとなっています。

その他の遺構

土壙は7基検出され、そのうち3基は縄文時代のものと推定されています。また、平面が円形の素掘りの井戸跡が3基、溝が8本確認されました。これらの遺構は、各時代の生活様式や技術水準を示す貴重な資料となっています。

所在地とアクセス

• - 所在地：〒987-0357 宮城県登米市豊里町蕪木90-1
• - アクセス：

- 三陸沿岸道路桃生豊里インターチェンジから車で7分
- 東日本旅客鉄道陸前豊里駅から徒歩10分

脚注

宮城県教育庁文化財保護課
リクルートグループサイト

関連項目

長根浦貝塚
北海道・東北地方の史跡一覧

沼崎山遺跡は、縄文時代から中世にかけての複合遺跡であり、様々な遺構を通じて当時の人々の生活や文化を垣間見ることができる貴重な場所です。今後の調査や研究によって、さらに多くの発見が期待されています。

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