沼影市民プール

沼影市民プールの概要

沼影市民プール（読み：ぬまかげしみんぷーる）は埼玉県さいたま市南区にかつて存在した市営のプール施設であり、略して「沼プー」とも呼ばれました。このプールは、施設全体が沼影公園として都市公園に指定されており、2024年3月末に廃止される予定です。

歴史的背景

このプールは、1971年（昭和46年）7月に浦和市の市営プールとして開設されました。市民からの「海のない浦和市にプールがあれば」という強い要望に応える形で、旧浦和市時代から運営を開始しました。その後、さいたま市が成立する際に、市営沼影市民プールとして名前が改められました。これにより、さいたま市における最古の市営プールとなりました。

施設には50メートルプール、子供プール、全長約100メートルのスライダーなどが設けられ、多くの市民が利用していました。また、1990年からは冬季に一部がアイススケート場として利用されるようになり、大規模なリンクが開放されていました。このプールは『南区魅力発見かるた』の「な」の読み札にも選ばれ、市民にとって思い出深い場所となっています。

施設の詳細と利用状況

1981年（昭和56年）4月には屋内プールが開設されました。こちらは25メートルの短水路を持ち、日本水泳連盟から公認の6レーン幅の競泳プールであり、通年利用が可能でした。この他にも、卓球場やカルチャー教室も併設されており、周囲の居住者にとって重要なレクリエーションの場となっていました。

閉鎖の経緯

沼影市民プールが閉鎖される背景には、地域の教育施設の再整備が挙げられます。2028年度までに沼影小学校と浦和大里小学校を統合し、「武蔵浦和学園義務教育学校」として新しい校舎を沼影地域に設置する計画が進行中です。この際、プールの敷地も含めて教育やスポーツ施設が建設されることが決定しています。

具体的には、プールの用地と隣接する沼影小学校の敷地を利用して校舎とスポーツ施設を設置する計画となっています。屋外プールは2023年8月31日に夏季の営業を終了し、その後50メートルプールも2024年2月12日をもって営業を終えます。そして、この閉鎖に際して「ありがとうイベント」が開催され、最終日には多くの利用者が訪れ、別れを惜しみました。

一方、屋内プールは2025年6月末まで運営され、その後解体される方向です。新設の義務教育学校は2028年度から開校予定となっており、新たなスポーツ施設も併設されることが期待されています。

市は代替施設の整備についても検討中で、旧浦和市域内に優先的に整備を進める方針を示しています。また、他の既存の市営プールについてもリニューアルや廃止が検討されており、一定の役割を果たしていた沼影市民プールの閉鎖は地域にとって大きな転換点となることでしょう。

設備情報

沼影市民プールの敷地面積は20,070.90平方メートルで、各種プールが整備されていました。 主な設備は以下の通りです：

• - 流水プール: 面積1722平方メートル、水深1m、全長260m、幅6.5m
• - 50mプール: 面積970平方メートル、水深1.2mから1.6m、8レーン幅の日本水泳連盟公認競泳プール
• - 子供プール: 面積194.4平方メートル、水深0.55mから0.65m
• - スパイラルスライダー: 2レーン長さ100m
• - スライダー: 3レーン長さ20m

料金

利用料金は、大人が440円（さいたま市内在住者）または880円（市外在住者）、子供は220円（さいたま市内）または440円（市外）でした。

アクセス

沼影市民プールへのアクセスは、JR埼京線・武蔵野線の武蔵浦和駅から徒歩10分、またはさいたま市コミュニティバスの南区役所線「沼影北」での移動が可能でした。さらに、首都高速埼玉大宮線浦和南出入口からも近く便利でした。

まとめ

歴史ある沼影市民プールは、その役割を終えようとしており、地域の教育施設の開設に向けての準備が進んでいます。このプールでの思い出は市民にとって貴重なものであり、さまざまな世代の人々に愛されてきたスポットでした。新たに建設される施設がどのような形になるのか、今後の動向に注目が集まります。

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