沼津港

沼津港：駿河湾に開かれた活気ある港町

静岡県沼津市に位置する沼津港は、駿河湾に面した歴史と活気に満ちた港湾です。大型船舶が停泊する外港と、漁船が中心となる内港の2つのエリアから構成されており、古くから水産業の中心地として発展してきました。

歴史と発展

かつては狩野川の右岸に位置していましたが、昭和8年（1933年）に現在の内港が完成。その後、船舶の増加に伴い、昭和45年（1970年）には外港も整備され、今日の規模へと拡大しました。現在では、静岡県内屈指の水揚げ量を誇り、全国でも上位にランクインするほどの漁獲高を記録しています。沼津市には戸田港など他の港もありますが、沼津港の漁獲量規模には及びません。

充実した港湾施設

沼津港の魅力は、水産業の拠点としての役割だけではありません。港の東側、狩野川に隣接するエリアには、「ぬまづみなと商店街」や「港八十三番地」として知られる飲食店街が広がり、新鮮な海の幸を味わえる店が軒を連ねています。新鮮な魚介類を使った寿司や海鮮料理が堪能でき、観光客にも大変人気です。

港の西側には千本浜が広がり、松林が続く千本松原が美しい景観を形成しています。また、かつては沼津駅から沼津港へと貨物専用線が通っていましたが、昭和49年（1974年）に廃線となりました。

平成16年（2004年）には、展望施設を備えた大型水門「びゅうお」が完成しました。その高さは32メートル、扉の重量は470トンにも及び、東海地震などの際に津波から街を守る重要な役割を担っています。この水門は、その壮大なスケールとデザインから、沼津港のシンボル的な存在となっています。

平成19年（2007年）には、「みなとオアシス沼津」として国土交通省に登録され、同年、水産複合施設「沼津魚市場INO」が開業。さらに、平成21年（2009年）には商業施設「沼津みなと新鮮館」もオープンし、港の賑わいはいっそう増しました。これらの施設は、地元の漁業を支えるだけでなく、観光客にも沼津港の新鮮な海の恵みを提供しています。

海上交通と観光

かつては、伊豆箱根鉄道や戸田運送船による伊豆半島方面への定期航路がありましたが、現在は駿河湾フェリーが繁忙期に沼津港と戸田港、土肥港を結ぶ航路を運航しています。また、清水港と土肥港を結ぶ快速遊覧船「ドリーム★スター」も運航されており、海からの観光も楽しめます。

アクセス

沼津駅から伊豆箱根バスや東海バスで約10分とアクセスも良好です。また、東名高速道路沼津インターチェンジや東駿河湾環状道路沼津岡宮インターチェンジからも比較的近く、車でのアクセスも容易です。

周辺施設

沼津港周辺には、沼津港深海水族館や港口公園など、多くの観光スポットがあります。「ぬまづみなと商店街」では、地元の特産品や土産物も購入できます。

沼津港は、水産業、商業、観光が融合した、活気に満ちた魅力的な港です。新鮮な海の幸を味わったり、美しい景観を眺めたり、歴史に触れたりと、様々な楽しみ方ができる場所となっています。

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