沼田早苗

沼田 早苗

沼田 早苗（ぬまた さなえ）は、1948年（昭和23年）11月24日に神奈川県横浜市で生まれた日本の写真家です。

宝仙学園短期大学を中途退学後、在学中に写真家の大竹省二氏のモデルを務めたことが契機となり、1968年より同氏に師事しました。師のもとで研鑽を積む傍ら、アシスタントとして多くのテレビ番組に撮影やレポーターとして関わり、幅広い経験を積みました。1975年には最初の個展となる「アメリカン・リクレクション」を開催し、写真家として本格的に活動を開始します。1977年には雑誌『JUNON』の人気コーナー「私の男性探訪」にグラビア作品が掲載され、注目を集めました。

1978年にフリーランスの写真家として独立してからは、人物撮影を活動の柱としながら、その活動範囲を広げていきます。代表的な仕事として、自身の名を冠した個展シリーズ「私の写交録」が挙げられます。これは1977年を皮切りに1984年、1986年、1994年と複数回にわたって開催され、その作家性を広く知らしめました。また、長年にわたり雑誌の表紙写真も数多く手がけており、経済誌『財界』では1986年から1996年まで、『読売ウイークリー』では2000年から2002年まで、それぞれ表紙連載を担当しました。

地域との連携にも取り組み、北海道鹿追町と東京都台東区の文化交流事業の一環として、写真展「浅草ものがたり」が2010年代に行われました。社会や環境問題にも関心を寄せ、岩手県室根村（現・一関市）で行われた2万本のブナの植林活動を写真に収めた際には、「海と森は一体だ」という幼少期の原体験を思い出したといいます。自身のルーツである横浜市で海や山に囲まれながら育ち、幼少期から自然の中で過ごす時間が多かったことを、2008年のインタビューで明かしています。

女性写真家として、被写体が同性である女性を撮影することについて、2002年のインタビューで「かえって撮りにくかったです」と、その難しさを語ったことがあります。

主な受賞歴

1998年 - 聖教新聞社賞
1999年 - 国際協力事業団功労賞
2001年 - 経済産業省商務情報政策局長賞（京セラカレンダー「彩菜」）

主なメディア出演

テレビ番組:
フロンティア21世紀（テレビ東京）
CM:
旭化成 ザバザバ（1981年）
日健総本社「クロスタニン」（1985年（おばあちゃん篇）、1993年（バレリーナ撮影篇））

その他の活動

写真活動に加え、多方面でその知見を活かしており、様々な公的な役職を歴任しています。

BS-i（現：BS-TBS）番組審議会委員（2001年10月～2010年12月）
日本カメラ博物館（JCII） 講師
林政審議会委員
国連UNHCR協会協力委員（同協会開催の写真展に参加）
国際森林年国内委員会委員

著書

写真担当として、児童書や自身の作品集などを刊行しています。

『ぼくのおじいちゃんのかお』
天野祐吉 著、沼田早苗 写真
福音館書店
1986年1月号（こどものとも年少版）、1992年、2013年（再刊）
ISBN 978-4834011876（2013年版）
『沼田早苗作品展「私の写交録」』
JCIIフォトサロン
1994年
（JCII Photo Salon library ; 41）
『こわれたしゃしんき』
柴田晋吾 作、沼田早苗 写真
かんらん舎
2006年
* ISBN 978-4990070670

（この文章は提供された情報をもとに構成されており、事実に基づいています。）

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