沿ヴォルガ国内軍管区

沿ヴォルガ国内軍管区とは

沿ヴォルガ国内軍管区（Приволжский округ внутренних войск）は、ソ連及びロシア内務省（MVD）に属する重要な軍事行政単位であり、特にヴォルガ川流域における治安維持や災害派遣を行う統合部隊です。その本部はサラトフに所在し、地域の安全確保に努めています。

歴史的背景

この軍管区の起源は、1980年にさかのぼります。当初はゴーリキーに駐屯していた護送師団から成り立っており、1980年10月14日に国内軍ヴォルガ・ヴャトカ地帯局として正式に編成されました。以降、この部隊はモスクワオリンピックやユニバーシアードなどの国際的なイベントだけでなく、チェルノブイリ原発事故や様々な自然災害への対応にも関与してきました。

1987年には、名称が沿ヴォルガ局に変更され、1988年からは旧ソ連の紛争地域での戦闘任務にも従事するようになりました。1993年には、ロシアの大統領令によって新たに沿ヴォルガ国内軍管区が設立され、以降も様々な地域での治安維持活動を続けています。

近年の活動

1994年12月からは北カフカーズ地域において不法武装部隊との戦闘にも参加し、その中で重要な役割を果たしました。1996年には、テロリストによる攻撃に対しても迅速に対応するなど、地域の安全を守るために活動を行っています。特に2000年から2002年の期間においては、沿ヴォルガ国内軍管区の特殊自動車化連隊が公共の秩序を維持し、交通の安全確保に努めました。

また、2000年7月には、ウファ市の大隊が自爆テロの攻撃を受けるという事件も発生しましたが、これを受けても部隊の活動は続き、ロシア国内の治安維持に貢献してきたとされています。数年間にわたり、沿ヴォルガ国内軍管区の特殊自動車化大隊は、非常に高い評価を得ており、ロシア国内の軍事組織の中でも一流と見なされています。

編成

沿ヴォルガ国内軍管区は複数の作戦旅団および特殊部隊から構成されています。主な部隊には以下のような組織があります：

• - 作戦旅団：キーロフ
• - 第34作戦任務旅団：シュミロヴォ
• - 第35作戦任務旅団：サマーラ
• - 作戦任務旅団：カザン
• - 作戦任務旅団：サラトフ
• - 重要国家施設警備師団：サロフ（旧アルザマス-16）
• - 重要国家施設警備特殊連隊：ペンザ-19またはザレーチヌイ-1
• - 重要国家施設警備特殊連隊：ジェルジンスク
• - 第738独立特殊自動車化大隊：チェボクサルィ
• - 第29特殊任務支隊「ブラート」：ウファ
• - 第26特殊任務支隊「バルス」：カザン
• - 第20特殊任務支隊「ヴェガ」：サラトフ

2008年には、組織の再編が行われ、沿ヴォルガ地域司令部として新たな運営体制が確立されました。これにより、より効率的な治安維持活動が期待されています。

関連項目

この軍管区は、沿ヴォルガ連邦管区及び沿ヴォルガ・ウラル軍管区と密接な関係があり、常に重要な役割を果たしています。

もう一度検索