泉山銀行

泉山銀行は、明治後期に青森県八戸町（現在の八戸市）十三日町で設立された銀行であり、青森銀行の源流の一つとして知られています。

概要

八戸で代々紺屋、木綿、古着などを商い、地域でも有数の資産家であった泉山家（代々吉兵衛を名乗り「泉吉」と呼ばれ、武家筋とは区別されていた）の五代目、泉山吉兵衛が、その財を基に1898年（明治30年）11月に創立しました。泉山吉兵衛は銀行設立に先立ち、泉山醤油合名会社や日出セメント（現在の住友大阪セメント、八戸セメント）を設立しており、これらは八戸の発展の基礎を築く上で重要な役割を果たしました。

泉山家は、是川遺跡の保存に尽力したことでも知られています。是川遺跡は長らく泉山家の敷地内にあり、その保存活動は六代目の泉山岩次郎と泉山斐次郎兄弟によって行われました。彼らは五代目吉兵衛の娘婿にあたります。岩次郎は、泉山銀行とその後継である八戸銀行の取締役、そして磐城セメントの重役を歴任しました。

沿革

1898年（明治30年）11月 - 創立。
1927年（昭和3年） - 八戸商業銀行、階上銀行、五戸銀行と合併し、八戸銀行が誕生。泉山吉兵衛と岩次郎は八戸銀行の取締役となりました。

泉山銀行は、八戸の経済発展に大きく貢献しただけでなく、文化的な遺産の保護にも尽力した泉山家の功績を象徴する存在です。その歴史は、地域社会の発展と密接に結びついており、今日の青森銀行へと受け継がれています。

参考文献

* 『新編八戸市史　近現代資料編１』八戸市、2007

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