泉町 (八王子市)

東京都八王子市泉町の詳細解説

泉町は、東京都八王子市に位置する、住居表示未実施の単独町名です。郵便番号は193-0814で、八王子西郵便局が管轄しています。この地域は、八王子市役所の北西部に位置し、北浅川の西岸に広がる扇状地が特徴です。

地理

泉町内には、市営の泉町団地や泉町南団地、そして泉町住宅などが整備されており、住宅地としての性格が強いです。町の南西部には中央自動車道が北浅川上を通過しており、交通の便も比較的良いと言えるでしょう。

隣接する地域としては、北から東にかけて楢原町や清川町、東は中野上町4丁目や元本郷町4丁目、南には横川町や叶谷町、そして西には四谷町があります。

主要な河川としては、浅川（北浅川）が地域を流れています。

歴史

江戸時代、この地域は下壱分方村（または下一分方村）の一部でした。1935年の地区調査票によると、福岡部落には148戸、787人が居住しており、大正表、靴工、日稼ぎなどが主な職業でした。菊池山哉の著書『長吏と特殊部落』によれば、当時から皮革業が盛んで、多摩郡第一の集団地として知られていました。

沿革

1889年（明治22年）4月1日：町村制施行により、下壱分方村は大楽寺村、上壱分方村、横川村、弐分方村、川村、元八王子村と合併し、元八王子村の一部となりました。この時、下壱分方村は元八王子村大字下壱分方となります。
1955年（昭和30年）4月1日：元八王子村が八王子市に編入され、元八王子村大字下壱分方は八王子市大字下壱分方へと移行しました。
1956年（昭和31年）10月1日：町名変更により、八王子市大字下壱分方の一部が泉町となりました。

経済

泉町には、日産東京販売八王子松枝橋店などの企業が存在します。

2017年12月31日時点での世帯数と人口は、以下の通りです（詳細な数値は原文を参照）。

地域

施設

泉町会館：自由民権家の柏木豊次郎邸跡地に建てられています。
泉町団地自治会館
八王子泉町住宅（東京都住宅供給公社）

宗教

カトリック八王子教会泉町分教会：明治時代には、山上卓樹や山口重兵衛らが横浜から神父を招き、聖瑪利亜教会を創立しました。この地域にはかつて白山社がありましたが、取り壊されました。
喜願寺（時宗）：廃寺となり、墓地だけが残っています。墓地には十字架が刻まれた墓石が多く、カトリック教徒の洗礼名と本名が刻まれています。
相即寺（浄土宗）

教育

泉町に住む児童・生徒が通う市立小・中学校の学区は、以下の通りとなります（詳細な学区は原文を参照）。

交通

道路

中央自動車道
東京都道46号八王子あきる野線（高尾街道）

路線バス

西東京バス：市01系統（西八王子駅北口 - 市役所入口元本郷公園東 - 泉町住宅 - 松枝住宅）

名所・旧跡

近代先覚者の碑：泉町会館の敷地に設置された石碑で、明治維新の先覚者たちが柏木豊次郎邸に集った歴史を記念しています。碑には、板垣退助、石阪昌孝、星亨など、多くの著名な自由民権運動家たちの名前が刻まれています。

出身人物

山上吉五郎：皮革商、製革業者。
山上卓樹：自由民権運動や被差別部落解放運動家。
山口重兵衛：草履製造業者、自由民権家、神奈川県会議員。

まとめ

泉町は、その歴史と文化、そして現代の生活が交錯する魅力的な地域です。住宅地としての落ち着きと、自由民権運動の足跡を残す歴史的な背景が、この地域独特の雰囲気を醸し出しています。交通の便も比較的良く、日常生活を送る上で不便を感じることは少ないでしょう。泉町の歴史や文化に触れることで、より深くこの地域を理解できるでしょう。

参考文献

菊池山哉『長吏と特殊部落』東京史談会、1953年。
Web八王子事典

関連項目

* 泉町 (曖昧さ回避)

もう一度検索