泉茉里

泉 茉里（いずみ まり）は、1994年11月9日生まれ、三重県名張市出身の女性アイドル、歌手である。幼少期から音楽に親しみ、小学3年生でクラシックギターを始め、中学生でエレキギターも習得するなど、早い段階から音楽的素養を培った。関西地方の美術大学に学びながら大阪市に在住していたが、2017年3月には東京へ活動拠点を移した。学生時代には「茉里」名義でソロ活動と並行してバンド活動も行っていた。

彼女のキャリアの出発点の一つは、音楽プロデューサーのサクライケンタとの出会いである。サクライからの楽曲制作における仮歌依頼をきっかけに、Mary Angelのライブを観てステージへの意欲を抱いた泉は、2011年10月、サクライプロデュースによるソロプロジェクト「いずこねこ」として活動を開始。現代音楽とポップスを融合させたその独自の音楽性は大きな話題を集めた。高校3年生時に活動が学校に発覚し退学処分になりかけるも、活動を評価した大学に合格し転校扱いとなった。しかし、プロデューサーであるサクライの体調不良により活動継続が困難となり、「いずこねこ」は2014年8月に活動を終了。ただし、事前に制作されていた映画「世界の終わりのいずこねこ」（2015年3月公開）関連の活動については、終了後も「いずこねこ」名義で継続された。

2014年7月、横浜アリーナで開催されたBiS解散ライブのステージで、元BiSのカミヤサキと共に新ユニット「プラニメ」（後のGANG PARADE）を結成することを発表。この際、活動名義を「ミズタマリ」とした。しかし、メンバー間での意見の相違から、2015年5月31日をもって「プラニメ」を脱退した。

「プラニメ」脱退後、「ミズタマリ」は自身のソロプロジェクト名義となった。ソロ活動と並行して、TOKYO IDOL FESTIVALや@JAM EXPOなどの大型アイドルイベントではMCとして出演し、多才な一面を見せた。2015年6月には、脱退を知った成田大致からのオファーを受け、音楽ユニット「夏の魔物」に加入。当初は「ケンドー・チャン」という覆面メンバーとして活動したが、同年8月21日に正体が「ミズタマリ」であることを明かした。さらに、2015年11月5日には、瑞稀ミキ、篠原ゆりと共に3人組ユニット「エムトピ」を結成。以降、ソロ活動に加え、「夏の魔物」、「エムトピ」と複数のユニットを並行して活動した。2017年1月6日、「夏の魔物」が「THE 夏の魔物」に改名するのに合わせ、活動名義を本名の「泉 茉里」に戻したことを発表。その後、2018年9月9日に「THE 夏の魔物」から脱退した。

2020年5月には、Dr.Usui、絢屋順矢、名嘉真法久と共にオンラインユニット「DISCOMPO with 泉茉里」を結成し、新たな形態での音楽活動を開始している。また、私生活では、2020年11月3日に自身のTwitterアカウントを通じて、ロックバンド科楽特奏隊のナカムラリョウとの結婚を発表した。

音楽活動と並行して、テレビドラマやラジオ番組への出演経験も持つ。2016年にはBS12で放送されたドラマ「浪速伝説トライオー2 ナニワベッコウ編」に河内イズミ役で出演。また、MBSラジオの「うたぐみPARTY」やFM-FUJIの「GIRLS♥GIRLS♥GIRLS =flying high= エムトピのゆとラジ!」などのラジオ番組でパーソナリティを務めた。

泉茉里は、幼少期からの確かな音楽的素養を基盤に、プロデューサーとの出会いから始まった「いずこねこ」での実験的かつ先進的な活動、BiS派生グループ「プラニメ」への参加、覆面ユニット「夏の魔物」での挑戦、「エムトピ」でのグループ活動、そしてオンラインユニットやソロワークに至るまで、常に変化と挑戦を続けることで、日本のアイドルシーンにおいて異彩を放つ存在であり続けている。多様な名義を使い分けながら、自身の表現を追求する彼女のキャリアは、多角的な活動を続ける現代アーティストの一例とも言えるだろう。

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