法勝寺城

法勝寺城の歴史と遺構

法勝寺城（ほっしょうじじょう）は、鳥取県西伯郡南部町の法勝寺に位置する歴史ある城である。その築城年代は明確ではないが、法勝寺の地は西伯耆の交通要所として重要視されており、比較的早い段階で築かれたと考えられている。

歴史的背景

『山名系図』に示されるように、法勝寺周辺は古くから山名氏が知行した地域であることから、彼らによる築城が行われた可能性が指摘されている。法勝寺城に関する最初の記録は、文明13年（1481年）9月11日のもので、『山名政之書状』によって伝えられている。この文書には、伯耆守護の山名政之が叔父の山名元之の勢力が籠城している法勝寺城を攻撃するために出発したという内容が示されている。

その後の法勝寺城の歴史は不明確だが、毛利氏が築城したという伝承が残っていることから、山名氏の衰退後は廃城となったか、あるいは荒廃が進んだ可能性がある。永禄7年（1564年）には毛利氏によって修復がなされ、その後、吉川元春に従属する備中国の有力国人である三村家親が城主として任命された。家親は八橋城を攻略するなど、その戦功が評価されていた人物である。

しかし、慶長5年（1600年）の関ヶ原の戦いの後、伯耆の領主として中村一忠が入封すると、法勝寺城は廃城の運命を辿った。その麓には、山中幸盛に攻められ自ら命を絶ったとされる城主・毛利本紹の墓があるとの言い伝えが残っている。

遺構と文化財

法勝寺城は、法勝寺川沿いにそびえる山の上に位置する典型的な中世の山城であり、本丸や二の丸を含む構造が特徴的である。遺構としては、曲輪や土塁、さらには空堀などが良好な状態で残されており、訪れる人々に中世の雰囲気を感じさせる。

現在、法勝寺城の跡地は南部町により指定文化財として守られている。また、周囲の自然環境を生かして城山公園として整備されており、地域の人々や観光客に親しまれている。このように、法勝寺城は単なる歴史的遺跡にとどまらず、地域の文化や歴史を学ぶ貴重な場ともなっている。

関連項目

• - 日本の城一覧
• - 毛利氏
• - 山名氏
• - 山名満幸
• - 山名政之
• - 山名元之

法勝寺城の歴史を知ることは、鳥取県における戦国時代の政治的動向や、当時の人々の生活、文化を知る手がかりとなる。また、城まではハイキングや散歩が楽しめるため、歴史愛好家や観光客にとっても魅力的なスポットである。

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