山名満幸

山名 満幸の生涯と業績

山名 満幸（やまな みつゆき、生年不詳 - 応永2年3月10日（1395年3月31日））は、室町時代に活躍した武将で、守護大名として丹後、出雲、隠岐、伯耆といった地域を支配していました。彼は山名氏の重要な一員で、先代の山名師義（しぎ）の四男として生まれました。満幸の経歴は、彼が大名となる過程や幕府との関係、そして最期を迎えるまでの波乱に満ちたものでした。

家族と背景

山名満幸は、父の師義が惣領の地位を持っていたものの、1376年に師義が亡くなった際、その地位は長兄の山名義幸ではなく、叔父の時義が奪うこととなり、満幸は強い不満を募らせました。満幸はその後、義幸のもとで守護代として能力を発揮しましたが、義幸が病気療養のために国に帰った際、満幸は師義流の家系の長として室町幕府に仕官しました。

弘和元年（1381年）には丹後、出雲、隠岐の三国の大守護に昇進し、侍所の長官にも就任しました。彼の権力はこの時点で非常に大きく、幕府内での地位も確立していました。しかし、政局は常に変動するもので、元中6年（1389年）に叔父の時義が死去し、その子の時煕が惣領の地位につくと、満幸は義幸の後継としての自らの立場に対する不満が募っていきました。

幕府との対立

元中7年（1390年）、将軍足利義満の命令を受けて、叔父で義父の山名氏清と共に時煕とその一族への攻撃を決行します。この戦で勝利を収め、伯耆を手に入れた結果、満幸は四国の守護を兼任することとなり、自身の権力を増大させました。しかし、翌年の元中8年（1391年）には彼の野心が裏目に出ます。京都の仙洞領を押領した理由で満幸は守護職を解任され、さらには京都からも追放されてしまいました。

このような状況下で、満幸は義満に対して不満を抱くようになり、氏清と共に幕府に反抗する約束をしました。12月には丹波で反乱を起こしましたが、幕府軍の強力な抵抗に遭って敗北し、氏清が戦死する結果となります。彼自身も山陰に逃げざるを得ませんでした。

晩年と最期

満幸はその後、剃髪して僧となり、一時九州の筑紫に逃れることになりますが、応永2年（1395年）には京都の五条坊門高倉に潜伏していたところを捕らえられてしまいました。出雲守護の京極高詮の手によって斬られ、その命を絶たれました。彼の死によって、再び山名氏の惣領の地位は師義流から時義流へと移り変わりました。

歴史的に、満幸は「怯懦な性格」の持ち主であるとされ、その評価は彼の生涯と行動に影を落としていました。満幸の一生は、権力と反抗、そして最期には悲劇的な結果をもたらした複雑なものでした。彼の業績は、今もなお多くの歴史愛好者に語り継がれています。

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