法政大学文化連盟

法政大学文化連盟：激動の学生運動史

法政大学文化連盟は、1959年の設立以来、長く法政大学の歴史に深く関わる存在でした。当初は、多くのサークルを束ねるサークル連合として誕生しましたが、時代とともにその活動内容は大きく変化していきます。

初期の活動と全共闘

1960年代後半から70年代にかけて、法政大学文化連盟は学生運動の中核を担います。ノンセクト系の学生グループが中心となり、法政大学全共闘として活発に活動しました。「法政大学学生会館設立要求書」の作成・提出にも関与するなど、その影響力は大きかったと言えるでしょう。学内では、学生会館建設をめぐる闘争や、学費値上げ阻止闘争、町田キャンパス移転反対闘争など、様々な社会問題に積極的に関与しました。

内ゲバとロックアウト

しかし、この活動は常に激しさや内紛と隣り合わせでした。1970年代には、大学構内での暴力事件が発生し、大学当局は厳格な対応を余儀なくされます。学内への立ち入り制限や、夜間の門限、さらには鉄柵設置といった、厳しいロックアウト体制が敷かれたのです。これは、学生運動の過激化を抑制するための措置でしたが、同時に、学生たちの自由を大きく制限するものでもありました。

学生会館闘争と自主管理の獲得

学生たちは、ロックアウト体制の撤廃と学生会館の自主管理を訴え、激しい闘争を展開します。この闘争は、大学当局との間で長期間に渡り、激しい攻防が繰り広げられ、多くの逮捕者を出しました。しかし、最終的には学生側の主張が部分的に認められ、学生会館の自主管理が実現することになります。これは、学生運動が大学運営に影響を与えることを示した象徴的な出来事でした。

セクトとの距離と新たな闘争

1980年代に入ると、法政大学文化連盟は特定の政治組織との距離を保ちつつ、町田キャンパス移転反対闘争や学費値上げ反対闘争などの活動に継続して取り組みます。この時代には、「黒いヘルメットと白衣」と呼ばれる、特定の政治組織に属さない学生グループが中心的な役割を果たしました。

組織再編と抗議活動

2000年代に入ると、法政大学は公認サークル制度を導入します。これにより、従来の学友会組織であった法政大学文化連盟は、非公認団体となりました。この決定に反発した一部の学生は、激しい抗議活動を行い、授業妨害や器物損壊などの事件を起こしました。この活動には、法政大学以外の大学からも学生が参加し、中核派系の全学連との連携も見られました。これらの活動は、逮捕者を生み出すなど、大きな社会問題となりました。

組織とその後

2010年頃までは、著名な文化人らが文化連盟を支援していましたが、特定の政治組織の影響下に入った後は、そのような支援は途絶えています。現在、法政大学文化連盟は事実上活動を停止しており、かつての勢いは失われています。

法政大学文化連盟の歴史は、激動の時代を背景とした学生運動の軌跡そのものです。大学当局との対立、学生同士の内紛、そして社会運動への関与。その活動は、常に社会の関心を集め、大学や社会に大きな影響を与えてきました。しかし、その活動は時代の変化とともに変化し、現在では活動を停止しています。この歴史から、日本の学生運動の歴史、大学と学生の関係、そして社会運動のあり方について、多くの示唆を得ることが出来るでしょう。

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