泛藍連盟

泛藍連盟とは

泛藍連盟（はんらんれんめい）は、台湾（中華民国）における複数の政治グループの総称です。これらのグループは、台湾の将来についてほぼ共通の政治的立場を共有していますが、組織化された単一の団体ではありません。

この連盟は、「泛藍陣営」や「泛藍軍」とも呼ばれ、その名称は主要な構成団体である中国国民党（国民党）のイメージカラーに由来しています。日本では、「汎青連合」という漢字表記で呼ばれることもあります。

主要な構成政党としては、国民党の他に、新党や親民党などが挙げられます。これらの支持者は、一般的に「台湾」よりも「中華民国」としてのアイデンティティを強く持っており、自身を中国人として認識し、中国との統一を支持する傾向があります。

泛藍連盟の主張

泛藍連盟は、現状維持を基本としています。彼らは、「中華民国」が中国の正統な国家であると主張し、中国（中華人民共和国）を刺激することなく、台湾の独立に反対しています。連盟は、平和的な手段による中国との再統一を最終的な目標としています。

歴史的に見ると、中華民国は中国大陸を統治する国家として建国され、1945年に台湾を編入しました。その後、国共内戦を経て台湾のみを統治するようになったものの、自身を「全中国の正当な政権」と位置づけてきました。しかし、1990年代以降、台湾の独自性を重視する動きが強まり、李登輝元総統による「国家体制の台湾化」が進められました。

これに対し、泛藍連盟は、中華民国を「中国の国家」と定義し、台湾化の動きを牽制しています。彼らは、中国との平和的な交渉を通じて、最終的には中華民国主導による中国と台湾の再統一を目指しています。

連盟は、「一つの[[中国]]」原則を共通認識としつつ、解釈はそれぞれが行うという立場を取っています。かつては「邦聯制」という、独立性の強い国家連合による統一も提案されましたが、現在はより現実的な政策を模索しています。

泛藍連盟の変遷

国民党と新党は、もともとは一つの勢力でしたが、1990年代の李登輝政権下で分裂しました。新党は、国民党の権力闘争や李登輝の政策を批判し、結成されました。また、宋楚瑜氏も国民党を離党し、親民党を結成しました。親民党は、後に泛藍連盟に加わっています。

2008年には、国民党が政権を奪還しましたが、その後の政権も中国との関係を経済的な融和に限定し、早期の統一には否定的です。近年では、台湾の独立志向が高まり、泛藍連盟の支持も変動しています。2016年の総統選挙では、民主進歩党に大敗し、立法院でも過半数の議席を失う結果となりました。

泛藍連盟の現状

現在、泛藍連盟は、具体的な中台統一案を打ち出せずにいます。経済復興を優先し、中台関係については慎重な姿勢を維持しています。連盟内には様々な意見があり、統一や独立だけでなく、現状維持を支持する声も存在します。

関連項目

中華民国の政治
中華民国の政党一覧
中華民国総統選挙
中華民国立法委員選挙
台湾問題
泛緑連盟
中国民主化運動
中華人民共和国

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