波 (雑誌)

新潮社の文芸雑誌『波』： 時代を彩る文学の潮流

『波』は、新潮社が発行する文芸雑誌・出版社PR誌であり、日本の文学シーンに深く根ざした存在です。1967年の創刊以来、半世紀以上にわたり、読者に豊かな読書体験を提供し続けています。

創刊から現在まで

1967年1月、全24ページの季刊誌として産声を上げた『波』は、定価10円という手軽さで読者の手に届きました。福田恆存、小林秀雄、大江健三郎ら錚々たる執筆陣が名を連ね、創刊号からその質の高さを印象付けました。1969年に隔月刊化、1972年には月刊誌となり、より多くの読者に文学の波を届けます。2007年1月号ではレイアウトを刷新し、全128ページへとボリュームアップ。2011年8月号で通巻500号を達成し、その歴史の重みを改めて示しました。

特徴

文豪ゆかりの表紙: 創刊以来、川端康成など文豪の筆跡を掲載した表紙は、『波』の大きな特徴です。2022年6月号では、乃木坂46の賀喜遥香が表紙を飾り、話題となりました。これは創刊55年の歴史において、女性アイドル単独としては初の試みでした。
多彩なコンテンツ: 自社刊行物の宣伝や書籍に関する情報に加え、人気作家の連載小説やエッセイなど、読み応えのあるコンテンツが満載です。井上ひさし『私家版 日本語文法』、山口瞳『居酒屋兆治』、櫻井よしこ『何があっても大丈夫』など、本誌連載後にベストセラーとなった作品も多数存在します。
無料配布と定期購読: A5判の『波』は、雑誌コード06823で管理され、書店での無料配布と定期購読を中心に展開されています。手軽に手に取れる点が魅力です。

デジタル版『波 -E magazine Nami-』

『波』にはデジタル版も存在します。ウェブ上で無料でアクセスでき、『波』に掲載された書籍の書評、エッセイ、インタビュー、対談などを読むことができます。2012年5月号から掲載されており、最新号の記事から順に、「書評・エッセイ」「インタビュー」「対談・鼎談」の項目ごとに整理されています。

『波』が紡ぐ文学の世界

『波』は、単なる出版社PR誌にとどまらず、時代を代表する作家たちの作品を掲載し、新たな才能を発掘する役割も担ってきました。阿川弘之、遠藤周作、藤沢周平など、数々の作家が『波』で連載を行い、読者に感動と刺激を与えてきました。

主な連載作品

阿川弘之『食味風々録』
阿部和重『幼少の帝国 成熟を拒否する日本人』
井上ひさし『私家版 日本語文法』
遠藤周作『イエスの生涯』
小川国夫『青銅時代』
鹿島田真希『少女のための秘密の聖書』
小林信彦『ちはやふる奥の細道』『おかしな男 渥美清』
櫻井よしこ『何があっても大丈夫』
椎名誠『ぼくがいま、死について思うこと』
白川道『終着駅』
田牧大和『三人小町の恋 偽陰陽師拝み屋雨堂』
永田和宏『歌に私は泣くだらう』
蓮池薫『拉致と決断』
久間十義『デス・エンジェル』
藤沢周平『本所しぐれ町物語』
藤野千夜『D菩薩峠漫研夏合宿』
三浦哲郎『木馬の騎手』
宮城谷昌光『古城の風景』
山口瞳『居酒屋兆治』
吉田篤弘『ソラシド』



『波』は、これからも日本の文学シーンを盛り上げ、読者に新たな発見と感動を提供し続けるでしょう。書店で手にとって、その魅力を体感してみてください。

外部リンク
波｜新潮社
波 -E magazine Nami-
波 (@namimagazine) - X（旧Twitter）

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