白川道

白川道：ハードボイルド作家、波瀾万丈の生涯

白川道（しらかわ とおる、1945年10月19日 - 2015年4月16日）は、日本のハードボイルド作家として知られています。本名は西川徹。

生い立ちと経歴

1945年に北平で生まれた白川道は、戦後に神奈川県平塚市で育ちました。平塚市立崇善小学校、平塚市立江陽中学校、神奈川県立平塚江南高等学校を経て、一橋大学社会学部を卒業。太宰治を愛読し、読書に親しむ高校時代を過ごしました。大学卒業後は大手電機メーカー、広告代理店勤務を経て独立。先物取引会社勤務、旅行会社や書店の起業など様々な職を経験しましたが、いずれも成功には至りませんでした。

その後、妻の父が経営する松山市の会社で役員を務めますが、離婚。東京に戻り、投資顧問会社に勤務し、自ら株式投資顧問会社を設立。巨額の資金を動かし、贅沢な生活を送りました。

作家デビューと成功

1991年、投資詐欺事件で逮捕、実刑判決を受けます。1994年、49歳で『流星たちの宴』で作家デビュー。2001年には、『天国への階段』が山本周五郎賞候補となり、テレビドラマ化もされ、ハードボイルド作家としての地位を確立しました。

私生活

白川道は、新潮社の編集者である中瀬ゆかりと事実婚関係にありました。二人は19歳差であり、互いを「トウチャン、ペコマル」と呼び合うほど親密な関係でした。麻雀仲間である西原理恵子の漫画のネタにされることも多かったようです。

『流星たちの宴』と横森理香『ぼぎちん』は、白川と横森が過去に交際していた頃を題材にした作品です。中村うさぎのコラムでは、白川が競輪マニアであったことが明かされています。

夕刊フジでコラム「俺ひとり」を連載する傍ら、中瀬ゆかりのコラムにも「トウチャン」として登場。毎日新聞では人生相談コーナーを担当するなど、多方面で活躍しました。

2015年4月16日、大動脈瘤破裂のため69歳で死去。

主な作品

『流星たちの宴』
『海は涸いていた』
『カットグラス』
『病葉流れて』
『天国への階段』
『終着駅』
『最も遠い銀河』
『竜の道』

メディア・ミックス

『海は涸いていた』→ 映画『絆 -きずな-』
『天国への階段』→ テレビドラマ
『最も遠い銀河』→ テレビドラマ
『竜の道』→ テレビドラマ

白川道の作品は、人間の心の奥底にある欲望や孤独、そして社会の裏側を描き出し、多くの読者に衝撃を与えました。その波瀾万丈な人生経験から生まれた作品は、これからも読み継がれていくことでしょう。

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