波佐村

波佐村（はざむら）は、かつて島根県那賀郡に存在した村です。現在の浜田市の一部を構成しています。

地理

波佐村は、周布川の上流部に位置し、深笹川、落し谷川といった支流が合流する地点を中心とした地域に広がっていました。豊かな自然に恵まれた場所であったことが伺えます。

歴史

1889年（明治22年）4月1日、町村制の施行に伴い、那賀郡の波佐村、長田村、小国村が合併し、新たな村として波佐村が発足しました。これにより、地域の一体性が高まり、行政機能の効率化が図られました。

1953年（昭和28年）12月1日には、大字波佐の滝平地区の一部が広島県山県郡八幡村に編入されました。これは、行政区画の調整によるものと考えられます。

しかし、1956年（昭和31年）8月1日、波佐村は那賀郡の雲城村、今福村と合併し、金城村が新たに設置されたことで、その歴史に幕を閉じました。金城村への合併は、地域の更なる発展を目指したものでしょう。

産業

波佐村の主な産業は、農業と製紙業でした。豊かな自然環境を活かした農業は、村の経済を支える重要な柱でした。また、製紙業も地域の特産品として発展し、村の経済に貢献していました。

天然記念物

波佐村の中心集落付近には、かつてカワシンジュガイが群生していました。1937年、その生息地はカワシンジュガイの生息南限として天然記念物に指定されました。しかし、1943年（昭和18年）の台風26号による水害により、カワシンジュガイは絶滅してしまいました。これは、自然災害がもたらす影響の大きさを物語る出来事です。

波佐村は短い期間ではありましたが、独自の歴史と文化を育み、人々の生活を支えてきました。その名は、現在の浜田市の一部として、その歴史を今に伝えています。

参考文献

角川日本地名大辞典 32 島根県
『市町村名変遷辞典』東京堂出版、1990年。

関連項目

* 島根県の廃止市町村一覧

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