波止場町

波止場町：神戸の国際色豊かな港町

神戸市中央区に位置する波止場町は、その名の通り、神戸港に面した歴史と活気に満ちた地域です。京橋から弁天埠頭跡の手前までの海岸線沿いに広がり、多くの商業施設や港湾関連施設が集中しています。単独町名として、独自の情緒と賑わいを見せています。

地理と景観

波止場町は、北側に中央区海岸通、東側に新港町、西側に弁天町と隣接し、南側は海に面しています。町域内には、神戸を代表する観光スポットであるメリケンパークや、中突堤、中突堤中央ターミナル（かもめりあ）などの港湾施設が集中しています。倉庫や事務所ビルなども立ち並び、商業と工業が混在する独特の景観を形成しています。

特にメリケンパークは、1980年代半ばにメリケン波止場と中突堤間の海域を埋め立てて造成されたもので、美しい海と緑の空間を提供しています。また、中突堤中央ターミナル（かもめりあ）は、1990年代後半の国産波止場を埋め立てる形で整備され、現在ではフェリーターミナルとして機能する他、イベント会場としても利用されています。

歴史と変遷

波止場町の歴史は古く、1868年（慶応4年）に鯉川河口に造られたメリケン波止場まで遡ります。長さ18メートル、幅11メートルの小さな波止場は、北側に位置したアメリカ領事館との関係から「メリケン波止場」と呼ばれ親しまれ、町名の由来となっています。

その後、1919年（大正8年）からの神戸港第二期修築工事における埋め立て事業を経て、1937年（昭和12年）に現在の波止場町として町名が正式に定められました。第二次世界大戦後、何度かの区の所属変更を経て、1980年（昭和55年）からは中央区に属しています。

1958年（昭和33年）には神戸港湾合同庁舎が完成し、多くの国機関が入居。1963年（昭和38年）には神戸開港90周年を記念して神戸ポートタワーや神戸国際港湾博物館（後の神戸海洋博物館）が開設されるなど、神戸港発展の歴史を刻んできました。また、1985年（昭和60年）にはメリケンパークの埋立地が編入され、町の面積も拡大しました。

施設と機関

波止場町には、数多くの重要な公共施設や民間施設が集積しています。

公共機関：神戸第2地方合同庁舎、第五管区海上保安本部、神戸海上保安部、神戸地方法務局、神戸運輸監理部、神戸地方海難審判所など
観光施設：メリケンパーク、神戸ポートタワー、神戸海洋博物館、中突堤、中突堤中央ターミナル（かもめりあ）など
ホテル：ホテルオークラ神戸、神戸メリケンパークオリエンタルホテル、ホテル ラ・スイート神戸ハーバーランドなど
その他：Kiss FM KOBE本社、ノートルダム神戸、神戸公共職業安定所（ハローワーク神戸）、神戸港労働出張所など

これらの施設の存在が、波止場町の多様な機能と活気を支えています。

人口変遷

波止場町の人口は、時代とともに変化してきました。2005年（平成17年）の国勢調査では、世帯数192世帯、人口293人でしたが、1988年（昭和63年）には528人、1960年（昭和35年）には474人でした。これは、港湾開発や都市開発による影響を反映していると考えられます。

まとめ

波止場町は、神戸港の歴史と発展を象徴する地域です。港湾施設と商業施設が調和し、多くの公共機関や観光スポットが集積する、多様な魅力を併せ持つ町として、これからも神戸の重要な拠点であり続けるでしょう。

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