中突堤

神戸港中突堤：神戸の玄関口としての歴史と役割

神戸港の中突堤は、兵庫県神戸市中央区波止場町に位置する、神戸港を代表する象徴的な波止場です。1929年の着工から1938年の竣工を経て、長年にわたり神戸の国際的な顔として、多くの船舶を受け入れてきました。

歴史と変遷

中突堤は、1938年の竣工以来、神戸港の重要な拠点として機能してきました。突堤の付け根には、神戸のランドマークの一つである神戸ポートタワーがそびえ立ち、その存在感は圧倒的です。突堤の先端には、メリケンパークオリエンタルホテルが建ち、その1階と2階には、税関、出入国管理、動植物検疫などの施設を備えた中突堤旅客ターミナルが設置されています。

1980年代半ばには、中突堤から東側のメリケン波止場までの水域が埋め立てられ、メリケンパークが開園しました。さらに、1990年代後半には、中突堤から西側の弁天埠頭までの水域が埋め立てられ、中突堤中央ターミナル（かもめりあ）がオープンしました。これらの埋め立て事業によって、中突堤の形状は大きく変化し、かつて約700メートルあった西岸の長さは約500メートルに短くなりました。現在、その先端286メートルは、外航クルーズ客船や長距離フェリー用のバースとして使用されています。水深は約9メートルあり、5万トン級の船舶の接岸にも対応できることから、神戸港の玄関口として、神戸ポートターミナル（新港第四突堤）に次ぐ重要な役割を担っています。突堤東岸には、大型レストラン船「ルミナス神戸2」専用のバースも設置されています。

アクセスと周辺環境

花隈公園（花隈城址）から中突堤に至る道路は、「タワーロード」という愛称で親しまれており、元町通、栄町通、海岸通の丁目界、さらには旧神戸村と旧二ツ茶屋村の村界でもある歴史的な道でもあります。海岸通（国道2号）山側から中突堤の先端まで、エレベーター付きのペデストリアンデッキが整備されており、そこからは中突堤だけでなく、西の高浜岸壁（神戸ハーバーランド）、東の新港突堤に出入りする船舶の眺望を楽しむことができます。

JR、阪神、阪急、神戸市営地下鉄など、複数の駅から徒歩圏内に位置しており、アクセスも非常に良好です。周辺には、波止場町TEN×TENなどの商業施設も整備されており、観光客やビジネス客にとって利便性の高いエリアとなっています。

寄港船と航路

中突堤には、多くの客船が寄港します。定期航路としては、「ルミナス神戸2」による神戸港～明石海峡大橋周航のクルーズがあります。不定期には、「飛鳥II」、「ふじ丸」、「ぱしふぃっくびいなす」、「にっぽん丸」など、豪華客船の寄港も見られます。かつては、アクアジェット（神戸港中突堤～津名港～洲本港）などの定期航路や、関西汽船、加藤汽船が運航する瀬戸内海航路のターミナルとして、四国・九州への多くの航路が就航していました。また、沖縄復帰前には黒潮丸も就航していました。

主要建造物

中突堤周辺には、神戸ポートタワー、中突堤中央ターミナル「かもめりあ」、中突堤旅客ターミナル（メリケンパークオリエンタルホテル内）などの重要な建造物が立ち並びます。かつては中突堤中央ビル（旧・ターミナルビル）にKiss FM KOBEの本社がありましたが、老朽化に伴い、神戸メリケンパークオリエンタルホテルに移転しました。

近隣の旅客船ターミナル

中突堤周辺には、神戸ポートターミナル、新港フェリーターミナル、高浜旅客ターミナル、神戸空港海上アクセスターミナル、六甲アイランドフェリーターミナル、六甲船客ターミナルなど、多くの旅客船ターミナルが存在し、神戸港の国際的な機能を支えています。

今後の展望

現在、新港突堤西地区から神戸ハーバーランドまでの都市索道を経由させる構想があり、中突堤周辺エリアの更なる発展が期待されています。中突堤は、今後も神戸港の玄関口として、その役割を担い続け、神戸市の発展に貢献していくことでしょう。

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