泥灰土

泥灰土（でいかいど、marl）は、粘土鉱物と石灰質物質（主に炭酸カルシウム、稀にドロマイト）が混合した堆積物であり、マールとも呼ばれます。

泥灰土の定義

泥灰土は、炭酸塩鉱物（方解石など）を35%から65%含み、残りが粘土で構成される堆積物と定義されています。この泥灰土が固結したものが泥灰岩（marlstone, marlite）です。泥灰土と他の堆積岩との区別は、粘土分の含有量によって行われます。粘土分の比率が増加すると石灰質粘土（calcareous clay）となり、減少すると粘土質石灰岩（argillaceous limestone）となります。

泥灰土の用途

泥灰土は、その特性から様々な用途に利用されてきました。

土壌改良材

1800年代には、アメリカ合衆国のニュージャージー州中部で、土壌改良を目的として泥灰土が広く採掘されました。泥灰土は、酸性土壌の中和や土壌の保水性を改善する効果が期待され、畑などに利用されてきました。

セメント原料

泥灰土は、ポルトランドセメントの原料としても利用されます。特定の組成を持つ泥灰岩は、セメント岩（セメントロック）と呼ばれ、セメント製造に直接利用できます。しかし、天然の泥灰岩は、酸化鉄やマグネシウムなどの不純物が多く、成分組成にばらつきがあるという課題もあります。

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