泰久寺駅

泰久寺駅の歴史と現状

泰久寺駅（たいきゅうじえき）は、鳥取県東伯郡関金町泰久寺、現在の倉吉市関金町泰久寺に位置していた日本国有鉄道（国鉄）倉吉線の廃駅です。駅は1958年の開業から1985年の廃止まで、旅客輸送を担っていました。開業時は倉吉線の関金から山守間が延伸する際に設けられ、無人駅として営業が開始されました。

駅の構造と特徴

廃止当時、泰久寺駅は単式ホーム1面1線を持つ無人の地上駅でした。そのホームは非常に短く、気動車2両編成が収まることが難しく、地元の住民にとっては少々不便でした。駅舎自体は質素な待合室程度のもので、改札は設けられておらず、乗客は駅舎を経由せずにホームへと上がることができる構造となっていました。

駅周辺の様子

駅の裏手には鳥取県道45号線が通り、倉吉線は泰久寺地区を貫いていましたが、実際の駅は地区から数百メートル離れた場所に設置されていました。周囲には林や畑が広がっており、非常に静かな環境が漂っています。周辺には大久寺や神田神社、狼谷溜池、草幾山城の跡など、歴史的な名所も点在しています。

現在の駅跡

現在、駅の待合室は取り壊されていますが、当時のホームや駅名標の枠、レールはそのまま残されています。また、当駅と隣の山守駅には、透明なアクリル板で作られた珍しい駅名標が存在していました。2014年には駅跡にレプリカの駅名標が設置され、訪れる人々にその名残を伝えています。

美しい廃線跡の魅力

泰久寺駅跡から山守トンネル方向に進んだ廃線跡では、木々が線路を覆い尽くす美しい光景が広がっています。この風景は、2019年に放送された『世界の何だコレ!?ミステリー』で「日本一美しい廃線跡」として紹介され、SNS上でも話題となりました。2021年には「竹林と廃線のフォトジェニックな景観」としても評価されています。これらの美しい自然と廃線跡を楽しむイベントも開催されており、地域の活性化にも寄与しています。具体的には、ウォーキングドッグデーや日本一美しい廃線跡祭り、竹林のライトアップ（2023年に初開催）などが実施されており、多くの人々が訪れています。

隣接駅

泰久寺駅の隣には関金駅と山守駅があり、倉吉線上の重要なポイントとして機能していました。かつてこのエリアには鉄道が通り、人々の生活を支えていたことが思い起こされます。現在はその面影を留めつつ、自然が豊かな地域として新たな価値を見いだされています。

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