泰安洋行

アルバム『泰安洋行』の詳細

細野晴臣の通算3作目のスタジオ・アルバム『泰安洋行』は、1976年7月25日にリリースされました。この作品のレコーディングは1976年4月11日に開始され、前作『トロピカル・ダンディー』との関連性から、「トロピカル三部作」として人気を集めています。細野自身はこのアルバムを「チャンキー・サウンド」と名付け、その背景にはニューオリンズの文化が影響を与えているとされています。彼はゼンブにそんな独自のスタイルと日本の伝統文化を混ぜ込んだ音楽を目指しました。

アルバムのタイトルである「泰安洋行」は、1976年のティン・パン・アレーが行ったツアー中に立ち寄った長崎市の中華街にあった雑貨店から取られた名前です。このアルバムには鈴木茂や林立夫など、ティン・パン・アレーのメンバーが参加しており、彼らの演奏が色彩豊かなサウンドを作り上げています。

収録曲一覧

SIDE A

1. 蝶々-San
作詞・作曲・編曲：細野晴臣
山下達郎が船長の声を担当し、コーラスには山下（山下よた郎名義）と大瀧詠一（宿霧十軒名義）が参加しています。

2. 香港Blues
作詞・作曲: ホーギー・カーマイケル、編曲: 細野晴臣

3. “Sayonara”, The Japanese Farewell Song
作詞：フレディ・モーガン、作曲：ハセガワ・ヨシダ、編曲：細野晴臣

4. Roochoo Gumbo
作詞・作曲・編曲：細野晴臣、ウチナーグチ：川田禮子
一部の歌詞は沖縄の言葉で表現されています。

5. 泰安洋行
作曲・編曲：細野晴臣
アルバム唯一のインストゥルメンタル。マリンバやスティール・ドラムなど全ての楽器を細野が担当しています。

SIDE B

6. 東京Shyness Boy
作詞・作曲・編曲：細野晴臣
この曲の主人公は鈴木慶一で、彼の内気さが反映されています。

7. Black Peanuts
作詞・作曲・編曲：細野晴臣
『トロピカル・ダンディー』の「北京ダック」のB面としてシングル発売されました。

8. Chow Chow Dog
作詞・作曲・編曲：細野晴臣

9. Pom Pom蒸気
作詞・作曲・編曲：細野晴臣

10. Exotica Lullaby
作詞・作曲・編曲：細野晴臣
シンセサイザーが多用されています。

ボーナストラック

アルバム『泰安洋行』の2007年のボックスセットには以下のボーナストラックが収録されています。

• - 北京ダック ～Single Version

シングル用に再録音されたバージョンです。

• - Harry's Talking in Radio

TBSラジオでの細野の出演音源です。

参加ミュージシャン

このアルバムには、細野晴臣の他にも多くの才能あるミュージシャンが参加しています。

• - 細野晴臣：ボーカル、エレクトリック・ベース、マリンバなどの楽器多彩に演奏
• - 鈴木茂：エレクトリック・ギター、コーラス
• - 林立夫：ドラムス、パーカッション
• - 矢野顕子、浜口茂外也なども参加し、独自の音楽空間を築いています。

『泰安洋行』は、細野晴臣が音楽的な冒険を続ける中での重要な一歩であり、リスナーに多様な音楽体験を提供しました。

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