洋山深水港

洋山深水港の概要

洋山深水港（ようざんしんすいこう）は、中華人民共和国・上海市浦東新区から約30km離れた杭州湾に位置する新しいコンテナ港で、国際的な物流の拠点として注目されています。この港は、大洋山島と小洋山島を埋め立てて作られたもので、アクセスを容易にするために32.5kmの長大な東海大橋が本土との間に架けられています。港の背後には洋山保税港区があり、これは中国初の保税地域としても知られています。

背景

従来の上海港は、黄浦江や長江沿いに位置し、中国の輸出入量が急増する中で、容積や水深の制約から限界に達していました。特に、大型コンテナ船の入港が難しくなり、水深が10m以上の埠頭の建設が求められていました。しかし、伝統的な港の航路が常に土砂によって妨げられるため、新たな港の建設が必要とされました。このような背景から、国務院は洋山深水港の建設を決定し、深さ15m以上の国際ハブ港としての開発が始まりました。

港湾施設の発展

洋山深水港の建設は2002年に始まり、4期に分けて進められています。港は2005年に第1期が開港し、5つの埠頭（バース）を持つことになりました。この段階で、年間220万TEU（20フィートコンテナ換算）の取り扱い能力を有していました。また、第2期の完成により、9バース、3000mの長さが供用されることとなりました。

第3期は2010年に完成予定で、ここでは7バースが新たに供用され、大型コンテナ船が寄港できる環境が整いました。2012年には第4期が完成し、バース数は30に達し、年間1500万TEU以上のコンテナを取り扱う能力を持つに至りました。将来的には50バース、年間2500万TEU以上の取扱いを目指しています。

課題と展望

洋山深水港はその地理的特性から冬季に暴風に見舞われることがあり、これが埠頭や橋の運用に影響を与える場合もあります。しかし、全体的には、上海市の物流の重要な要素として機能することが期待されています。20年間の総工費は約120億USドルとされ、大規模な投資が行われています。

結論

洋山深水港は、世界の物流環境において重要な役割を果たし、特にアジア地域における海上輸送において重要な位置を占めています。引き続き、さらなる発展が期待されており、未来の国際貿易の中心地として成長することでしょう。

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