津田元嘉

津田 元嘉 (つだ もとよし) の生涯

津田元嘉は、戦国時代から安土桃山時代にかけて活躍した武将で、織田氏の家臣として知られています。彼の父は尾張国の比良城主である織田元定であり、織田信秀の娘婿でもありました。元嘉は、義兄にあたる織田信長に仕官し、主に奉行としてその才能を発揮しました。

初期の活動と越前の政務

天正元年（1573年）の夏、信長は朝倉氏を滅ぼした後、羽柴秀吉、明智光秀、滝川一益の三名を越前国の政務に派遣しました。仕置きを終えた三人が越前を去ると、信長の代官として残されたのが木下祐久、三沢秀次、そして元嘉の三名でした。彼らはそれぞれ派遣された家臣の代官として越前の政務に関わり、元嘉は滝川一益の代官として活動していたと考えられています。

越前の政治は形式上の守護代である桂田長俊の指導の下にあったものの、実際の政務は信長の命令を基に三代官が強力に執り行っていました。彼らは寺領の管理や年貢、諸公事を取りまとめ、実質的な権力を握っていました。

越前一向一揆の勃発

しかし、天正2年（1574年）1月、一向一揆が発生し、守護代である桂田長俊は討伐され、続いて代官であった元嘉たちの命も狙われました。包囲された元嘉らは窮地に陥りますが、仲間の安居景健と朝倉景胤の助けにより、一揆勢と和解を果たし、北ノ庄から逃れることができました。

荘厳な処罰

天正10年（1582年）、元嘉は織田信忠の命により、六角義治や武田の残党を匿った恵林寺の僧衆を処罰するために任命されました。彼は、惣連署を行い、寺内の人々を山門に集め、その後回廊に干草を積み上げて火を放つという残酷な処置を実行しました。その結果、快川紹喜を含む150名が命を落としました。

本能寺の変とその後

同年6月2日には、本能寺の変が発生し、元嘉は二条新御所を守り、信忠と共に明智軍に立ち向かいます。壮絶な戦闘の末、元嘉は討死しましたが、その生涯は織田家の歴史に深く刻まれています。彼の足跡は、戦国時代特有の激動の時代を生き抜いた武将として、多くの人々に語り継がれています。

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