津田町 (香川県)

津田町（つだちょう）

香川県の東部に位置していた旧自治体で、大川郡に属していました。現在の行政区分では、さぬき市の一部にあたり、特に「津田町津田」や「津田町鶴羽」といった地名として、かつての町の名前が引き継がれています。

この地域は、近隣都市との結びつきが深く、平成12年に行われた国勢調査のデータによれば、当時の住民の約18.5パーセントが高松市へ、約8.5パーセントが志度町（現在のさぬき市の一部）へ通勤していました。これは、周辺の主要な雇用地域へのアクセスが良いことを示唆しています。

歴史

津田町の歴史は、明治時代の地方制度改革に始まります。1890年（明治23年）2月15日、町村制の施行に伴い、寒川郡に「津田村」が誕生しました。その後、村は順調に発展を遂げ、わずか8年後の1898年（明治31年）2月11日には町制が施行され、「津田町」となりました。

翌1899年（明治32年）4月1日には、所属郡が寒川郡から大川郡へと変更されます。この所属変更後も、町としての歩みを進め、昭和時代には特筆すべき出来事がありました。

1950年（昭和25年）3月14日には、戦後の復興途上にあった日本を巡幸されていた昭和天皇が町を訪れられました。町民は琴林公園のグラウンドに設けられた奉迎場にて天皇をお迎えし、歴史的な一日となりました。

昭和後期の自治体再編の流れの中で、津田町は新たな動きを見せます。1956年（昭和31年）9月8日には、隣接する鶴羽村と新設合併を行い、改めて「津田町」として発足しました。これにより、町の区域が拡大され、地域の一体化が進みました。

そして、21世紀初頭のいわゆる「平成の大合併」において、津田町は大きな転換期を迎えます。2002年（平成14年）4月1日、大川郡に属していた他の4つの町、すなわち大川町、志度町、寒川町、長尾町と共に新設合併を行い、「さぬき市」が誕生しました。この合併をもって津田町は自治体としては廃止されましたが、その名前は前述のようにさぬき市の地域名、すなわち大字名として今日まで受け継がれています。

地域の特徴と交通

旧津田町の区域は、さぬき市の東部に位置し、風光明媚な海岸線を持つことでも知られています。特に海岸沿いには、地域の憩いの場や観光スポットとしても親しまれている場所があります。

交通の要衝としては、主要道路沿いに「道の駅津田の松原」があります。ここは休憩施設としてだけでなく、地域の特産品などを扱う場所として、多くの人々に利用されています。

自治体としての歴史は閉じられましたが、津田町は香川県の東部地域における歴史や文化の一端を担い、現在もその名は地名として人々の生活の中に息づいています。

もう一度検索