津雲国利

津雲 国利

津雲国利（つくも くにとし）は、1893年10月18日に東京都青梅市で生まれ、1972年1月4日に亡くなった日本の政治家である。彼の政治経歴は多岐に渡り、衆議院議員を8回当選し、さまざまな要職を経験した。

生い立ちと経歴

津雲国利は、父・津雲亮光の二男として育ち、旧制東京府立第二中学校を卒業後、安田銀行の養成所で学び、銀行員としてのキャリアをスタートさせた。そして古河銀行の宇都宮支店長として勤めた後、新聞経営にも関わった。

1928年に政界に進出し、衆議院議員に初当選。戦前の立憲政友会に所属し、久原房之助直系の政治家として、党内で幹事や総務などの重要な役割を担った。彼は1938年の二・二六事件の際に起訴されたものの、無罪判決を勝ち取った。しかし、その後、防共護国団事件に関与し、議員を除名されることとなる。1942年には翼賛政治体制協議会の推薦を受けて再度当選した。

戦後の活動

戦後、彼は旧政友会の流れを汲む自由民主党に参加し、石井派に所属。1952年には一度落選したが、翌年には返り咲く。戦後の選挙では成績が振るわず、6回の総選挙に立候補したものの、当選したのはわずかに2回。1963年に政治活動から引退した後は、主に政界の実力者としての地位を確立した。

政策と主張

津雲国利は当時の時局に応じた政策提言を行った。特に彼は、戦後の再軍備問題については「国民生活が安定した後に実施すべき」と主張し、また家族制度の復活や庶民金融の法整備にも力を入れた。彼の政治姿勢は、時として軍部や右翼との密接な関係にも結びつき、様々な論争を呼んだ。

人物像

津雲は、政治家としての強面なイメージを持ち、特に事件に対する厳しい追及が際立っていた。彼は時の政権に対しても強い意見を持ち、自らの信念に基づいて行動した。趣味としては読書と旅行、仏像研究を挙げ、仏教に帰依していた。1945年に自邸を空襲で失い、その後の生活は余儀なくされたが、彼の政治的活動はその後も続いた。

晩年

津雲国利は1972年に78歳で死去。彼の政治活動は日本の歴史に一石を投じ、多くの人々に影響を与えた。津雲邸として知られる彼の住宅は、現在でも一般に公開され、彼の足跡を遺す重要な場所としての役割を果たしている。

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